売掛金とは

売掛金とは?仕訳例・回収の流れ・管理のポイントをわかりやすく解説

企業の経理担当者や個人事業主にとって、日々の会計処理でよく登場する「売掛金」。
この記事では、売掛金の意味から仕訳例、回収の流れ、管理のコツまでを初心者向けにわかりやすく解説します。

売掛金とは?意味を簡単に説明

売掛金(うりかけきん)とは、商品やサービスを販売したものの、まだ代金を受け取っていない金額のことです。
「将来入ってくるお金(債権)」であるため、貸借対照表では流動資産として扱われます。

たとえば、取引先に商品を納品して「代金は翌月末払い」とした場合、その時点で発生するのが売掛金です。
信用取引(ツケ)に基づく取引であり、通常は1~2か月以内に回収します。

英文会計では「Accounts Receivable(アカウンツ・レシーバブル)」と呼ばれます。

買掛金との違い

「売掛金」と対になるのが「買掛金」です。

  • 売掛金:自社が商品を売って、まだ受け取っていない代金

  • 買掛金:自社が商品を仕入れて、まだ支払っていない代金

つまり、売掛金は「受け取る側の債権」、買掛金は「支払う側の債務」という違いがあります。

未収入金・前受金・立替金との違い

似たような会計用語も整理しておきましょう。

  • 未収入金:営業活動以外(たとえば固定資産の売却など)による未回収の代金

  • 前受金:商品引渡し前に受け取った手付金など(将来の売上に対応)

  • 立替金:他人の代わりに一時的に支払った金額(後で返してもらう前提)

売掛金は「営業取引によって発生した未回収金」である点が最大の特徴です。

売掛金を計上するタイミング

売掛金は、商品やサービスを引き渡した時点で計上します。
これは「実現主義」と呼ばれる考え方で、「まだ入金がなくても、売上が確定した時点で記録する」のが原則です。

例)取引先A社に商品30万円を販売。代金は翌月末入金予定。
この場合の仕訳は次の通りです。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 300,000円 売上 300,000円

売掛金を回収したときの仕訳例

取引先から代金が入金されたときは、売掛金を消す(消込)仕訳を行います。

例1:銀行振込で全額入金

借方 金額 貸方 金額
普通預金 300,000円 売掛金 300,000円

例2:振込手数料が差し引かれて入金

借方 金額 貸方 金額
普通預金 299,500円 売掛金 300,000円
支払手数料 500円

例3:手形で回収

借方 金額 貸方 金額
受取手形 200,000円 売掛金 200,000円

売掛金管理のポイント

売掛金は「発生→回収→残高確認」の流れをきちんと管理することが重要です。
管理を怠ると、回収漏れや不良債権の発生につながります。

主なチェックポイントは次の通りです。

  1. 売掛金元帳を作成して、取引先ごとの残高を把握

  2. 残高確認書を定期的に送付して、取引先と照合

  3. 売掛金年齢表を作り、未回収期間を可視化

  4. 回収不能リスクに備えた与信管理を実施

また、取引先が倒産などで支払い不能になった場合には、貸倒処理を行う必要があります。

売掛金をうまく管理するためのツール

手作業での管理はミスや遅れが発生しがちです。
近年は、クラウド会計ソフトを使って自動化・効率化する企業が増えています。

たとえば「マネーフォワード クラウド会計」では、以下のようなサポートがあります。

  • 売掛金元帳テンプレート(無料ダウンロード可)

  • 勘定科目・仕訳辞典(税理士監修)

  • 決算書作成ガイド(初心者向け)

これらを活用することで、経理の精度とスピードを大きく向上させることができます。

まとめ

売掛金は、企業の資金繰りや信用管理に直結する重要な勘定科目です。
基本的な仕訳を理解し、定期的な残高確認と与信管理を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

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