老後の資金準備の選択肢としてよく耳にするのが「年金保険」です。その中でも、投資の要素を取り入れた商品が「変額年金保険(へんがくねんきんほけん)」です。
通常の個人年金保険は将来の受取額があらかじめ決まっていますが、変額年金保険では保険料を投資信託のように運用し、その成果によって将来の年金額や解約返戻金が変動します。
この記事では、変額年金保険の仕組みやメリット・デメリットを初心者向けに解説し、どんな人に向いているのかを考えていきます。
変額年金保険の仕組み
変額年金保険では、契約者が支払った保険料が**「特別勘定」と呼ばれる運用口座**で株式・債券などに投資されます。
その運用成果に応じて、将来受け取れる年金額や解約返戻金が増減します。
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運用が好調な場合:将来の年金原資が増える
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運用が不調な場合:元本を下回るリスクがある
つまり、「増える可能性もあるが減るリスクもある」保険であり、通常の年金保険に比べて投資性が強い商品です。
変額年金保険と通常の年金保険の違い
項目 | 変額年金保険 | 通常の年金保険 |
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年金額 | 運用実績で変動 | 契約時に確定 |
解約返戻金 | 運用実績で変動 | 契約時点で目安がわかる |
元本保証 | 原則なし | あり(低解約返戻型以外) |
インフレ耐性 | あり(運用成果次第) | なし |
リスク | 市場の値動きに左右される | 安定的・低リスク |
メリット
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運用次第で年金額が増える可能性
長期的な運用で資産を増やせる可能性があり、インフレ時にも資産価値を守りやすい。 -
老後資金と投資を組み合わせられる
保険と投資の両方の要素を持つため、「守りと攻め」をバランスよく組み合わせたい人に向いている。 -
死亡給付金がある商品も
年金受け取り前に死亡した場合に、死亡給付金が支払われる仕組みがある商品も存在する。
デメリット・注意点
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元本割れリスクがあるため、安全性を重視する人には不向き
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将来の年金額が確定しないため、老後資金計画が立てにくい
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運用管理費や手数料がかかるため、リターンが思ったほど伸びないケースもある
どんな人に向いている?
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預貯金や通常の年金保険だけでは不安を感じる人
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インフレリスクに備えたい人
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投資によるリターンを取り入れながら老後資金を準備したい人
逆に「元本割れは避けたい」「確実に決まった金額を受け取りたい」という人には、通常の個人年金保険の方が安心です。
まとめ
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変額年金保険は、保険料を特別勘定で運用し、年金額や解約返戻金が変動する商品
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運用成果によって受け取り額が増える可能性がある一方で、元本割れのリスクもある
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投資と保険を組み合わせたい人には有力な選択肢だが、安全性重視の人は慎重に検討すべき
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