企業の規模を表す言葉として「大会社」という言葉があります。
法律上も明確に定義されており、規模が大きくなる企業には特別な義務やルールが課されます。
この記事では、大会社の定義や法律上の義務、会計・監査のポイントまでを初心者向けに解説します。
大会社の定義
会社法において、大会社とは資本金5億円以上、または負債合計額200億円以上の株式会社を指します。これは、最終事業年度の財務状況を基準として判定されます。
大会社は、企業規模による区分のうち最も大きな分類であり、1974年に制定された「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」に基づき、以下の3種類に分類されています。
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大会社
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中会社
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小会社
規模の大小に応じて、企業にはそれぞれ異なる法的義務や会計のルールが課せられます。
大会社に課される義務
大会社は、規模が大きく社会的影響力も強いため、投資家や債権者を保護する目的で特別な義務が法律で定められています。主な義務は次の通りです。
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会計監査人の設置義務
財務諸表が適正であるかどうかを確認するため、外部監査人を置く必要があります。 -
監査役会または委員会の設置義務
監査役会や委員会の設置が義務付けられ、そのうち半数は社外監査役である必要があります。 -
取締役会の設置義務
経営意思決定の透明性を確保するために取締役会を設置します。 -
損益計算書の公告義務
財務状況を公開することで、投資家や債権者が企業の状況を把握できるようにします。 -
連結計算書類の作成義務
子会社を含めたグループ全体の財務状況を明示するために、連結財務諸表を作成する必要があります。
なぜ大会社には特別な規律が必要か?
大会社は資本や負債が大きく、取引先や消費者、金融機関など幅広いステークホルダーに影響を与えます。そのため、法的に厳格な会計・監査の義務を課すことで、透明性の確保とリスク管理が重視されています。
例えば、もし大会社が不正会計を行った場合、金融市場や取引先に大きな影響が出る可能性があります。法律上の義務は、こうしたリスクを事前に防ぐ仕組みとして機能します。
まとめ
大会社とは、資本金5億円以上または負債合計額200億円以上の株式会社を指し、会社法により特別な義務が課されます。会計監査人の設置、取締役会・監査役会の設置、損益計算書や連結財務諸表の作成など、透明性と安全性を確保するためのルールが定められています。
大会社の制度を理解することで、企業規模と法的義務の関係を正しく把握でき、投資判断や経営戦略に活かすことができます。
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