厚生年金に長く加入した方が受け取る「特別支給の老齢厚生年金」には、年金額を決める大切な要素のひとつとして「定額部分」があります。
これは、加入期間に応じて決まる基礎的な金額で、報酬比例部分と並んで支給額を左右します。
この記事では、定額部分の意味や計算方法を初心者にも分かりやすく解説します。
定額部分とは?
定額部分(ていがくぶぶん)とは、特別支給の老齢厚生年金の計算に用いられる基礎額です。
報酬比例部分が「現役時代の給与水準」に応じて決まるのに対し、定額部分は「厚生年金の加入期間」に応じて算定されます。
定額部分の計算式
令和7年4月以降の計算式は以下の通りです。
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昭和31年4月2日以後生まれの方
1,734円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数 -
昭和31年4月1日以前生まれの方
1,729円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数
上限の被保険者期間
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昭和9年4月2日~昭和19年4月1日生まれ:444月
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昭和19年4月2日~昭和20年4月1日生まれ:456月
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昭和20年4月2日~昭和21年4月1日生まれ:468月
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昭和21年4月2日以後生まれ:480月
※被保険者期間が上限を超えても、定額部分は上限月数で計算します。
報酬比例部分との違い
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定額部分:加入期間に応じて計算(上限あり)
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報酬比例部分:給与や賞与に基づいて計算(上限なし)
このように、定額部分は「年金の下支え」として機能し、報酬比例部分は「現役時代の収入反映」として働きます。
特例的な取り扱い
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昭和26年4月1日以前生まれの方は、40歳以降の厚生年金加入期間が一定の年数(15~19年)あれば、実際の月数が240月に満たなくても「240月」として計算されます。
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これは、当時の就労状況や制度の変遷を踏まえた救済措置です。
まとめ
「定額部分」は、特別支給の老齢厚生年金の計算において欠かせない基礎額です。
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加入期間の月数に応じて算定
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上限月数が定められている
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報酬比例部分と組み合わせて年金額が決まる
年金額を正しく理解するためには、自分の生年月日や加入期間を確認し、定額部分の仕組みを知っておくことが重要です。
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