実損払いとは

実損払いとは?仕組み・特徴・比例填補との違いをやさしく解説

保険に加入するときに知っておきたい重要なキーワードのひとつが「実損払い(じっそんばらい)」です。
これは、保険金の支払い方式を指す言葉で、損害保険の基本的な仕組みに深く関係しています。

この記事では、「実損払いとは何か?」「どんなときに適用されるのか?」「比例填補との違いは?」といったポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

✅ 実損払いとは?

実損払いとは、損害保険において、実際に発生した損害額を限度に保険金を支払う方式のことです。
これは「実損填補(実損填補方式)」とも呼ばれており、ほぼ同義と考えて差し支えありません。

🔍 仕組みの概要

  • 保険契約で設定された保険金額が上限

  • 実際に被った損害額に応じて、保険金が支払われる

  • 「損した分を補う」ことが目的で、それ以上の金額は受け取れない

 

📌 実損払いの具体例

たとえば、火災保険に加入していて、次のような状況が発生したとします。

例:家財に30万円の損害

  • 契約保険金額:50万円

  • 実際の損害:30万円

➡ 支払われる保険金は 30万円(損害額と同額)

📝 契約金額が50万円でも、損害が30万円であれば、それ以上は支払われません。

⚖ 実損払いと比例填補の違い

損害保険にはもうひとつ、「比例填補(ひれいてんぽ)」という考え方もあります。
違いをしっかり理解しておくと、契約時に迷いません。

▼ 比較:実損払いと比例填補

項目 実損払い(実損填補) 比例填補
補償対象 実際の損害額 実際の損害額 × 契約割合
支払金額 実損害額を上限まで全額補償 保険金額が資産価値に対して不足していると減額される
特徴 公平で明確な支払い方式 補償内容によっては不足する可能性がある

🚗 比例填補の具体例で違いを理解しよう

例:車両価格200万円に対し100万円の保険を契約したケース

これは「50%の補償を設定した」ことになります。

  • 実際の損害額:100万円

  • 保険金支払い額(比例填補):100万円 × 50% = 50万円

➡ この場合、残りの50万円は自己負担となります。

💡 一方、実損払い方式で保険金額が100万円以上であれば、全額支払い対象になります。

🛡 実損払いが使われる保険の種類

  • 火災保険(建物・家財)

  • 自動車保険(車両保険、対物賠償など)

  • 傷害保険

  • 損害賠償責任保険 など

いずれも、損害を「元の状態に戻す」ことを目的とする保険に多く採用されています。

💬 実損払いに関する注意点

  • 契約金額が適切かどうかが重要
     → 少なすぎると、比例填補扱いになる場合もある

  • **損害額を証明する資料(領収書や見積書など)**が必要
     → 正しい保険金支払いのために、事故後は速やかに記録を残しましょう

 

✅ まとめ:実損払いの仕組みを理解して、適切な補償を

実損払いは、保険契約における「損害を実額ベースでカバーする」という基本的かつ重要な方式です。

  • 実際に被った損害額までを補償(契約限度額内)

  • 多くもらうことはできないが、不足なく損害をカバーできる

  • 比例填補と混同せず、契約金額の設定がとても重要

いざというときに慌てないためにも、「自分の契約は実損払いか?比例填補か?」をしっかり確認しておくことをおすすめします。

さらに参照してください:

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