寡夫(かふ)とは、結婚していた男性が妻と死別、または離婚後に再婚していない状態を指します。
また「妻の生死が明らかでない」場合も含まれます。
普段の会話ではあまり聞かない言葉ですが、**所得税の「寡夫控除」**という税制上の仕組みでとても大事な概念です。
✅ 寡夫の基本的な定義
税法上の「寡夫」は以下の条件を満たす男性を指します。
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これまで婚姻歴がある
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妻と死別した、または離婚した
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その後、再婚していない
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妻の生死が明らかでない場合も該当
ポイント:未婚の男性は「寡夫」には含まれません。
✅ 寡夫控除とは?
「寡夫」という言葉がもっともよく登場するのは、**所得税の「寡夫控除」**という制度です。
🔹 寡夫控除の概要
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所得税の課税所得を減らせる所得控除
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一定条件を満たす寡夫が対象
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控除額は27万円(2024年現在)
✅ 寡夫控除の主な要件
1️⃣ 妻と死別、離婚、または妻の生死不明
2️⃣ 現在再婚していない
3️⃣ 生計を一にする子がいる(総所得48万円以下などの要件あり)
4️⃣ 本人の合計所得金額が500万円以下
✅ ポイント
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子どもを扶養している場合に限定
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「生計を一にする子」がいないと控除を受けられない
✅ 具体的なイメージ
たとえば:
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35歳の男性、離婚後に小学生の子どもを引き取って育てている
→ 寡夫控除の対象になる可能性が高い -
50歳の男性、妻と死別後に一人暮らし、子どもはいない
→ 寡夫控除は受けられない
✅ 注意:
「寡夫控除」は、子どもを養育しているシングルファーザー支援を目的とした制度です。
✅ 寡夫控除と寡婦控除の違い
よく混同されるのが「寡婦控除」との違いです。
寡夫控除 | 寡婦控除 | |
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対象 | 妻と死別・離婚後、再婚していない男性 | 夫と死別・離婚後、再婚していない女性 |
子の扶養要件 | 必須(生計を一にする子あり) | 一般寡婦は要件なし、特別寡婦は子の扶養要件あり |
控除額 | 27万円 | 一般:27万円、特別:35万円 |
✅ 寡夫控除は「子どもがいること」が条件の大きなポイントです。
✅ 税金だけじゃない「寡夫」という表現
「寡夫」という用語自体は、税法用語以外でも以下のように使われることがあります。
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年金制度の説明:遺族年金の支給条件説明などで「寡夫」という言葉を使う場合
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保険手続きの書類:家族構成や続柄を記載する欄で「寡夫」と記載
✅ 寡夫控除を受けるには?
会社員の場合
✅ 年末調整時に「扶養控除等申告書」に寡夫控除を記入
✅ 子どもの所得要件などを確認
自営業の場合
✅ 確定申告書の「所得控除」欄に寡夫控除を記載
✅ まとめ
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寡夫(かふ)とは
→ 妻と死別または離婚後、再婚していない男性。妻の生死が不明な場合も含む。 -
主な利用シーン
→ 所得税の寡夫控除制度 -
寡夫控除のポイント
→ 生計を一にする子がいることが条件
→ 所得税の課税所得を27万円控除
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