寡婦年金とは

寡婦年金(かふねんきん)とは?|条件・金額・支給停止になるケースをわかりやすく解説

**寡婦年金(かふねんきん)**は、亡くなった夫の年金を引き継ぐ形で、一定の要件を満たす妻が60歳から65歳になるまで受け取れる年金制度です。

遺族基礎年金を受け取れない妻を支援するために設けられた制度で、特に子どもがいない家庭などで重要な役割を果たします。

✅ 寡婦年金の基本

寡婦年金は、以下のような状況の妻を対象にした年金です。

  • 夫に生計を維持されていた妻

  • 子どもがいないため遺族基礎年金を受け取れない

  • 60歳から65歳になるまでの所得保障

ポイント

  • 支給開始は60歳

  • 65歳になるまで受給可能

  • 老齢基礎年金に「つなぎ」のような役割

 

✅ 寡婦年金を受け取るための要件

寡婦年金を受給するには、以下の全てを満たす必要があります。

① 夫が第1号被保険者として10年以上保険料を納付

  • 例:自営業者など国民年金第1号被保険者

  • 10年以上の納付期間が必須

② 夫と10年以上継続して婚姻関係にあった

  • 内縁関係も条件を満たせば対象になる場合あり

③ 生計を維持されていた

  • 夫の収入で生計を支えていたこと

④ 妻が60歳以上65歳未満

  • 寡婦年金は60歳から支給

  • 65歳になるまで受給可能(老齢基礎年金が65歳から支給されるため)

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夫が亡くなった後、60歳から老齢基礎年金受給開始までの間をカバーする制度。

✅ 支給停止になるケース

寡婦年金は、以下の場合には支給されません。

  • 夫が障害基礎年金や老齢基礎年金を受給していた場合

  • 妻自身が老齢基礎年金を繰り上げ受給している場合

  • 妻が再婚した場合

ポイント

夫がすでに年金を受け取っていた場合は、保険料を原資とした「引き継ぎ」ができない仕組み。

✅ 具体的な受給例

【ケース1】受給できるケース

  • 自営業の夫が65歳前に死亡

  • 夫は国民年金を10年以上納付

  • 結婚生活20年、生計維持

  • 妻は60歳到達後、寡婦年金を請求

✅ → 支給対象

【ケース2】受給できないケース

  • 夫が老齢基礎年金を受給中に死亡
    ✅ → 寡婦年金は支給なし

  • 妻が58歳で老齢基礎年金を繰り上げ受給
    ✅ → 繰り上げ受給開始後は寡婦年金を請求できない

 

✅ 寡婦年金の金額の目安

  • 原則として 夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の3/4相当

  • 金額は夫の納付実績によって異なる

目安(例)

夫の老齢基礎年金満額が約80万円/年 → 寡婦年金は約60万円/年程度

✅ 寡婦年金と遺族基礎年金の違い

寡婦年金 遺族基礎年金
主な対象 子のいない妻(60歳〜65歳) 18歳未満の子のいる配偶者
支給開始 妻の60歳から 夫死亡時から
期間 60歳から65歳まで 子が18歳到達まで

ポイント

子どもがいる家庭は原則「遺族基礎年金」
子どもがいない妻は「寡婦年金」がつなぎ役

✅ 申請方法

寡婦年金を受け取るには、以下の流れで手続きが必要です。

✅ 国民年金の窓口(市区町村役場)で申請
✅ 必要書類の提出(戸籍謄本、死亡診断書、年金手帳など)
✅ 審査後、支給決定通知が届く

✅ まとめ

  • 寡婦年金(かふねんきん)とは
    → 亡くなった第1号被保険者の夫に10年以上保険料を納めた経歴があり、10年以上婚姻関係があった妻に支給

  • 支給期間
    → 妻の60歳〜65歳

  • 支給要件
    → 生計維持されていた、夫が老齢基礎年金などを未受給

  • 支給停止条件
    → 再婚、老齢基礎年金繰上げ受給など

さらに参照してください:

株式会社(かぶしきがいしゃ)とは?|保険会社の経営形態も解説