企業の財務諸表を見ていると、「少数株主持分(非支配株主持分)」という勘定科目を目にすることがあります。
初めて見る方にとっては少し難解ですが、連結子会社の資本と親会社の関係を理解する上で重要な項目です。この記事では、少数株主持分の意味や計算方法、ポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。
少数株主持分とは?
少数株主持分とは、連結子会社の資本のうち、親会社が保有していない部分を表す勘定科目です。
別名で「非支配株主持分」と呼ばれることもあります。
例えば、親会社が子会社の株式の80%を保有している場合、残りの20%は少数株主が保有しています。この20%の部分が、連結財務諸表上では「少数株主持分」として計上されます。
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親会社の保有分 → 連結財務諸表上で親会社に帰属
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少数株主持分 → 親会社以外の株主に帰属
計算方法
少数株主持分は、連結子会社の株主資本 × 少数株主の持分割合で算出します。
計算例
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連結子会社の株主資本:1,000万円
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親会社の持分:80%
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少数株主持分:1,000万円 × 20% = 200万円
この場合、少数株主持分は200万円となり、連結財務諸表上は親会社の資本とは別に計上されます。
少数株主持分の増減要因
少数株主持分は以下のような要因で増減します。
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子会社の純利益や配当
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子会社が利益を上げれば、少数株主持分も増加
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配当が支払われれば、少数株主持分は減少
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資本増減や株式発行
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子会社が新株を発行した場合、少数株主の持分割合によって変動
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親会社の持分取得や売却
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親会社が子会社株式を追加取得すれば、少数株主持分は減少
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一部売却すれば、少数株主持分は増加
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なぜ少数株主持分は重要なのか?
少数株主持分は、連結財務諸表で親会社に帰属しない部分の資本を明確に示すため、以下の点で重要です。
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親会社が実際に支配している資本と、少数株主に帰属する資本を区別できる
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企業価値の評価やM&Aの判断に必要
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株主資本の構造を理解することで、財務分析が正確になる
まとめ
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少数株主持分(非支配株主持分)は、連結子会社の資本のうち、親会社以外の株主に帰属する部分
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計算は「連結子会社の株主資本 × 少数株主の持分割合」で行う
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増減要因は子会社の利益、配当、資本変動、親会社の持分変動など
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財務分析や企業価値評価を行う上で非常に重要な指標
少数株主持分を正しく理解することで、連結財務諸表を読み解く力が格段に向上します。親会社と少数株主の資本の関係を押さえ、企業分析の精度を高めましょう。
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