保険契約でよく出てくる用語のひとつに「市場販売価格相当額(しじょうはんばいかかくそうとうがく)」があります。
特に自動車保険に関心のある方や見積もりを取ったことがある方は、一度は見聞きしたことがあるかもしれません。
この記事では、「市場販売価格相当額とは何か?」という疑問に答えるべく、初心者にもわかりやすく解説します。
実際の例や関連用語との違いも紹介しながら、スッキリ理解を目指しましょう。
✅ 市場販売価格相当額とは?
市場販売価格相当額とは、保険の対象となる自動車が損害を受けた際に、その車と同等の車両をもう一度購入する場合の参考価格を指します。
より具体的には、以下の条件を満たす自動車の販売価格が基準になります。
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同一車種・車名・型式・仕様
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初度登録年月や年式が同じまたは近い
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自動車販売店などが店頭で現金販売している価格
つまり、事故などで車が全損した場合、**その車と同じような車を今買い直すといくらになるのか?**という視点で算出される金額です。
🔄 火災保険の「再調達価額」と同じ考え方
実はこの「市場販売価格相当額」は、火災保険などで使われる「再調達価額(さいちょうたつかがく)」とほぼ同じ考え方に基づいています。
再調達価額とは?
火災や盗難などで損害を受けた建物や家財について、同等のものをもう一度購入・建て直すために必要な金額のことです。
自動車保険では、「同等の車を新たに買い直す金額」という形で、市場販売価格相当額がそれにあたります。
📌 市場販売価格相当額に「含まれるもの」「含まれないもの」
市場販売価格相当額の内訳にはルールがあります。よく混同されがちなので、以下にまとめておきます。
項目 | 含まれるか? |
---|---|
車両本体価格(中古車価格) | ✔ 含まれる |
消費税 | ✔ 含まれる |
自動車税、重量税、取得税など | ✘ 含まれない |
自賠責保険料や任意保険料 | ✘ 含まれない |
登録・車庫証明・納車費用などの諸経費 | ✘ 含まれない |
つまり、「実際に販売店で同等車を“車両本体だけ”で買うとしたらいくら?」というシンプルな見積もりだと考えると、わかりやすいでしょう。
🚗 具体例でイメージしてみよう
例:2019年式のトヨタ・プリウス
あなたが所有していた2019年式のプリウスが事故で全損してしまったとします。
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同じグレード・仕様のプリウス(2019年式)を、販売店で探してみたところ、店頭価格は**160万円(税込)**でした。
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この価格が「市場販売価格相当額」として評価され、保険金の支払額の参考になります。
ただし、この金額から免責金額や契約内容に応じた控除などが差し引かれる場合があるため、最終的な支払額はこれと異なることもあります。
⚠️ 注意点:市場価値は日々変動する
市場販売価格相当額は、「実勢価格(=今の中古車市場での売値)」に基づいています。そのため、次のような要因で大きく変動することもあります。
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車種の人気の有無
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災害などによる中古車需要の増加
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半導体不足による新車納期遅れ など
つまり、保険加入時に決めた金額がそのままではないという点を、しっかり理解しておくことが重要です。
✅ まとめ:市場販売価格相当額を理解して賢く備えよう
「市場販売価格相当額」は、自動車保険における損害時の補償額の基準となる重要な用語です。
同等車両を買い直す場合の実勢価格であり、消費税は含まれるものの、登録費用や保険料などは含まれません。中古車市場の動向にも左右されるため、補償額の目安として定期的に見直す意識が大切です。
事故時に「思っていたより保険金が少ない…」とならないよう、契約時に「評価額の算定方法」や「市場販売価格相当額の扱い」について必ず確認しておきましょう。
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