平均標準報酬月額とは

平均標準報酬月額とは?年金額の計算に使われる基礎をわかりやすく解説

年金に関する資料や解説で目にすることがある「平均標準報酬月額」。
少し専門的な言葉ですが、老齢厚生年金の受給額を決める重要な指標の一つです。

この記事では、初心者の方にもわかりやすく、平均標準報酬月額の意味や計算方法、年金額との関係を解説します。

平均標準報酬月額とは?

「平均標準報酬月額」とは、簡単に言うと厚生年金の計算に使われる、在職中の給料の平均値のことです。

厚生年金は「どれくらいの収入を得ていたか」に応じて将来の受給額が変わります。そのため、加入期間中の給与水準を正しく反映するために、この「平均標準報酬月額」が用いられます。

平均標準報酬月額の計算方法

平均標準報酬月額は、次のように計算されます。

  1. 被保険者であった期間の「標準報酬月額」をすべて合計する

  2. その合計を「被保険者であった月数」で割る

  3. 過去の標準報酬月額については、再評価率をかけて「現在の価値」に換算する

例:昔の給与30万円は、当時の物価や賃金水準を考慮し、現在の価値に直してから計算に組み込まれます。

このように、ただの単純平均ではなく、**再評価率を反映させた「実質的な平均」**になる点がポイントです。

年金額との関係

老齢厚生年金の金額は、以下の式で求められます。

年金額 = 平均標準報酬月額 × 給付乗率 × 被保険者期間

ここでの「平均標準報酬月額」が高ければ高いほど、将来受け取れる年金額も多くなります。

つまり、現役時代の給与水準が、そのまま年金受給額に反映される仕組みなのです。

具体的なイメージ

例えば、30年間厚生年金に加入し、標準報酬月額が平均で35万円だった場合。
その「35万円」を基準に計算され、給付乗率や加入月数を掛け合わせて老齢厚生年金額が決まります。

一方、給与が高かった時期と低かった時期が混在する場合でも、再評価率を用いた「平均」を取ることで、より公平に反映されるようになっています。

まとめ

  • 平均標準報酬月額とは、厚生年金額の計算基礎となる“給与の平均値”

  • 過去の給与は再評価率を使って現在の価値に換算される

  • 年金額は平均標準報酬月額 × 給付乗率 × 加入期間で決まる

平均標準報酬月額を理解することで、将来受け取れる年金額の仕組みがよりクリアになります。老後の生活設計を考えるうえでも、ぜひ知っておきたい基礎知識といえるでしょう。

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