老後資金への関心が高まる中、「企業年金」の仕組みに注目が集まっています。
中でも拠出型企業年金は、働く人の将来に大きく関わる重要な制度です。
この記事では、「拠出型企業年金とは何か?」を初心者にもわかりやすく、図や具体例を交えながら解説していきます。
🔍 拠出型企業年金とは?
「拠出型企業年金(きょしゅつがたきぎょうねんきん)」とは、企業が従業員の老後資金のために掛金(拠出金)を拠出する企業年金の一種です。
この制度は、大きく次の2つのタイプに分類されます:
① 確定給付型年金(Defined Benefit:DB)
将来の給付額があらかじめ決まっている年金です。
加入者の勤務年数や給与水準をもとに、退職後に受け取る金額が確定します。
② 確定拠出型年金(Defined Contribution:DC)
将来の掛金額は決まっているが、給付額は運用結果により変動する年金です。
加入者自身が運用の判断を行い、結果次第で受取額が増減します。
💡 確定拠出型年金とは?~「日本版401K」と呼ばれる理由~
確定拠出型年金は、2001年10月にスタートした制度で、**アメリカの「401(k)制度」**をモデルにしています。そのため、しばしば「日本版401K」とも呼ばれています。
✅ 特徴まとめ:
項目 | 内容 |
---|---|
拠出者 | 主に企業(個人型では本人) |
拠出額 | 毎月決まった金額 |
運用 | 加入者自身が運用先を選ぶ |
給付額 | 運用成績によって変動する |
税制優遇 | 掛金や運用益が非課税などの優遇措置あり |
🧑💼 具体的なシチュエーション:働きながら資産形成
たとえば、ある会社員Aさんのケース:
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毎月:会社がAさんのために20,000円を拠出
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Aさんはそのお金を「投資信託」「定期預金」「保険商品」などから選んで運用
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定年時:運用益が加わり、元本よりも多くの年金を受け取れる可能性あり
逆に、運用成績が悪ければ給付額が減るリスクもあるため、加入者自身の知識と選択がカギとなります。
✅ 拠出型企業年金(確定拠出型)のメリット・デメリット
メリット
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📈 運用益が非課税(税制優遇)
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💼 企業が掛金を負担してくれる(企業型の場合)
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🧑💻 自分で運用先を選べて自由度が高い
デメリット
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📉 運用次第では元本割れのリスクあり
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🤔 投資知識が必要で、選び方によって将来に差が出る
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🔐 原則60歳まで引き出し不可(老後資金専用)
🧭 確定拠出年金は老後資金づくりの「第3の柱」
日本の公的年金(国民年金・厚生年金)だけでは、十分な老後資金を確保するのが難しいと言われています。
そこで重要なのが、「自助努力」のしくみとしての**確定拠出年金(DC)**です。
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第1の柱:公的年金
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第2の柱:企業年金(確定拠出型・確定給付型)
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第3の柱:iDeCoなどの私的年金制度
このように、確定拠出年金は企業のサポートを受けながら、自分で資産形成ができる制度として注目されています。
🔚 まとめ:拠出型企業年金を知ることは将来設計の第一歩
拠出型企業年金、特に**確定拠出型年金(DC)**は、企業の支援を受けながら自分の力で将来に備える制度です。
制度の仕組みを理解することで、より安心した老後資金計画を立てることができます。
「会社がやってくれてるから任せっきり」ではなく、自分で運用や制度について知ることが大切です。
わからないことがあれば、まずは自分の会社の人事・労務担当に相談してみるのもおすすめです。
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