「控除(こうじょ)」という言葉、確定申告や年末調整の時期になるとよく耳にしますよね。
でも「結局、控除って何?」「どんな種類があるの?」と疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、税金の基礎知識として知っておきたい「控除」の意味と種類を、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 控除とは?基本の考え方
控除とは、税金を計算する前に所得などから一定の金額を差し引くことを指します。
この差し引かれる金額を「控除額」といい、控除が多いほど課税される所得(課税所得)が少なくなり、結果的に税金が安くなる仕組みです。
たとえば、年収400万円の人が各種控除で50万円分を差し引けた場合、
税金は「400万円−50万円=350万円」をもとに計算されます。
つまり、控除は節税につながる大切な制度なのです。
💡 控除の主な種類一覧(15項目)
日本の税制では、さまざまな事情に応じて受けられる控除が用意されています。
ここでは代表的なものを15種類紹介します。
種類 | 概要 |
---|---|
1. 所得控除 | 所得から一定額を差し引いて税金を軽減する基本的な控除の総称。 |
2. 医療費控除 | 年間(1月1日〜12月31日)の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で一部が戻る制度。 |
3. 配偶者控除 | 配偶者の所得が38万円以下の場合に受けられる控除。 |
4. 配偶者特別控除 | 配偶者控除の対象外でも、所得が76万円未満であれば受けられる控除。 |
5. 社会保険料控除 | 自分や家族の社会保険料を支払った場合に適用される控除。 |
6. 生命保険料控除 | 支払った生命保険料に応じて受けられる控除。 |
7. 扶養控除 | 生計を共にする家族を扶養している場合に受けられる控除。 |
8. 勤労学生控除 | 学生で所得が一定以下の場合に適用される控除。 |
9. 寡婦控除 | 女性の納税者で、一定の条件を満たす場合に受けられる控除。 |
10. 寡夫控除 | 男性の納税者で、特定の条件を満たす場合に受けられる控除。 |
11. 障害者控除 | 納税者本人や配偶者、扶養親族が障害者の場合に受けられる控除。 |
12. 雑損控除 | 災害や盗難などで資産に損害を受けたときに適用される控除。 |
13. 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済や確定拠出年金などに掛け金を払った際に受けられる控除。 |
14. 寄附金控除 | 公的機関や政治団体などへ寄付をしたときに受けられる控除。 |
15. 基礎控除 | すべての納税者が受けられる基本的な控除(38万円)。 |
🧮 控除を活用するとどうなる?【具体例で解説】
たとえば、年収400万円の会社員Aさんが以下の控除を受けたとします。
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基礎控除:38万円
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社会保険料控除:60万円
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生命保険料控除:8万円
合計106万円が控除されるため、
税金の計算対象は 400万円 − 106万円 = 294万円。
このように、控除をきちんと申告することで実際の税負担を大きく減らすことができます。
💬 控除を受けるための手続き
控除の多くは、年末調整や確定申告で申告することで適用されます。
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会社員の場合:勤務先が行う「年末調整」で自動的に処理される控除も多い。
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個人事業主・フリーランスの場合:「確定申告」で自分で控除を申請する必要あり。
医療費控除や寄附金控除などは、領収書や証明書を添付して申告する必要があるため、
1年間の支出記録をしっかり保管しておくことがポイントです。
🔍 まとめ:控除を理解すれば、税金はもっと軽くなる!
控除とは、「税金を減らすための仕組み」です。
受けられる控除を知り、正しく申告することで、余分な税金を支払わずに済みます。
特に、確定申告や年末調整の時期には、以下の点を意識しましょう。
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自分がどの控除を受けられるか確認する
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必要な証明書類を早めに準備する
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控除の申告を忘れずに行う
ちょっとした知識と準備で、あなたの手取りが大きく変わります。
税金の仕組みを理解して、賢く節税していきましょう!
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