保険には「万が一のときに、確実に保険金を受け取れる安心感」が求められますよね。
その裏側で、保険会社が責任を果たすために用意している仕組みのひとつが**「支払準備金(しはらいじゅんびきん)」**です。
この記事では、「支払準備金ってなに?」「なぜ必要なの?」「どんな種類があるの?」という疑問に、わかりやすくお答えします!
🔍 支払準備金とは?
支払準備金とは、将来的に支払う予定の保険金に備えて、保険会社が積み立てているお金のことです。
保険事故が起きたあと、すぐに保険金が支払われるわけではなく、調査や手続きが必要になるケースが多くあります。
こうした未確定・未払いの保険金に対応するため、あらかじめ決算時点で積み立てておくお金が支払準備金です。
✅ ポイント
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決算時点で、すでに発生した保険事故が対象
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保険金の「未確定分」や「未払い分」に備える
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保険契約者への支払い能力を維持するための重要な準備金
🧩 支払準備金の内訳:2つの備金に分かれています
支払準備金は、次の2つに分類されます。
① 普通備金(ふつうびきん)
これは、保険会社がすでに報告を受けている事故に対して、個別に保険金額を見積もって準備するものです。
たとえば…
・交通事故の報告があり、現在治療中のケース
・火災で建物が損害を受け、査定待ちのケース
このような状況では、支払額がまだ確定していないため、見積もりベースで準備金を積み立てます。
② IBNR備金(アイビーエヌアールびきん)
IBNRとは「Incurred But Not Reported」の略で、すでに発生しているが、まだ報告されていない事故に対する備金です。
たとえば…
・保険契約者が入院しているが、まだ保険会社に請求していない
・事故から時間が経ってから報告が来る可能性がある場合
こうした“見えない事故”にも備えるため、過去の実績などをもとに一定の方法でまとめて見積もりを行い、準備金を積んでおきます。
🎯 なぜ支払準備金が大切なの?
保険は「万が一」のときの安心を提供するものですが、それは保険会社に支払い能力があることが前提です。
支払準備金がしっかり積まれていないと、万が一事故が多発した場合に保険金が支払えなくなるリスクがあります。
そのため、金融庁をはじめとした監督機関も、保険会社に対して適切な準備金の積立を求めています。
📝 まとめ
用語 | 内容 |
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支払準備金 | 保険事故に備えて積み立てておく将来支払予定の保険金 |
普通備金 | 報告済みの事故に対して、個別に見積もりを行い積み立てる準備金 |
IBNR備金 | まだ報告されていない事故に対して、統計的に見積もりを行う準備金 |
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