保険業界のニュースや企業の決算資料でよく見かける「新規契約率」。
これは、保険会社の“勢い”や“成長力”を図る上で欠かせない重要な指標のひとつです。
この記事では、「新規契約率」の意味や具体的な計算方法、関連する保険用語との関係について、初心者にもわかりやすく解説します。
📌 新規契約率とは?
新規契約率(しんきけいやくりつ)とは、ある年度内において新しく保険契約を結んだ人の数が、年度初めに保有していた契約数に対してどの程度の割合を占めるかを示す指標です。
保険会社の営業成績や市場での競争力を測るために使われるもので、生命保険会社などの決算資料や業界分析でよく登場します。
📈 新規契約率の計算方法
新規契約率の基本的な計算式は以下のとおりです:
新規契約率(%)= 新規契約件数 ÷ 年度初めの保有契約件数 × 100
たとえば、ある生命保険会社が年度初めに100万件の保有契約があり、その年度内に新たに10万件の契約を獲得した場合、
新規契約率=10万 ÷ 100万 × 100 = 10%
となります。
🤝 関連する保険契約者の役割も理解しよう
保険契約に関わる人物は、以下の4者です:
役割 | 説明 |
---|---|
契約者 | 保険契約を結び、保険料を支払う人 |
被保険者 | 保険の対象となる人(生命・身体など) |
保険者 | 保険金を支払う側(保険会社) |
受取人 | 保険金や給付金を受け取る人 |
✅ 例:こども保険の場合
-
契約者:親
-
被保険者:子ども
-
保険者:保険会社
-
受取人:親または子ども(契約内容により異なる)
このように、契約者と被保険者が異なるケースもあります。その場合、契約時には被保険者の同意が必要となる点にも注意が必要です。
🔍 新規契約率が注目される理由
✅ 保険会社の営業力・商品力を測る
高い新規契約率は、保険商品が顧客に受け入れられている証拠。
広告・販売戦略の成果や、社会的な信頼の高さを反映しています。
✅ 成長性の指標となる
保有契約数が伸び続けている企業は、収益の拡大も見込まれるため、投資家やアナリストにとっても重要な指標です。
✅ 業界全体の傾向もわかる
例えば、新規契約率が業界全体で下がっている場合は、保険のニーズや競争環境の変化が示唆されることもあります。
⚠ 新規契約率だけでは判断できない点も
新規契約率は便利な指標ですが、**「解約率」や「保有契約の継続率」**とあわせて評価することが重要です。
例:
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新規契約率が高くても、同時に多くの解約が出ていれば、実質的な契約数の増加にはつながらない
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継続率が高い企業は、顧客満足度や信頼性が高いともいえる
✅ まとめ:新規契約率は“成長のバロメーター”
新規契約率は、保険会社の営業成績や将来性を知るうえでとても重要な数字です。
特に、保険に関心を持つ方や業界研究をしている方、保険会社への就職を目指す学生にとっては押さえておきたい基本用語といえるでしょう。
ただし、一つの指標だけではなく、他の数値や背景とあわせてバランスよく判断する視点も忘れずに持っておきたいですね。
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