高齢化が進む日本では、**「施設介護」**という言葉を耳にする機会が増えています。
でも、「どんな施設があるの?」「在宅介護と何が違うの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護保険制度における「施設介護」の基本と、施設の種類ごとの特徴を初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 施設介護とは?
施設介護とは、介護保険法に基づいて設置された施設で提供される介護サービスのことをいいます。
具体的には、以下の3つの施設で受けられる介護サービスが該当します。
-
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
-
介護老人保健施設(老健)
-
介護療養型医療施設(療養病床)
いずれも、在宅での生活が難しくなった高齢者が、長期間にわたって介護や医療的支援を受けながら生活できる場として利用されています。
🏠 介護施設の3つの種類と特徴
① 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
-
対象者: 要介護3以上の高齢者(例外あり)
-
特徴: 食事・入浴・排せつなどの日常生活の介護を受けられる
-
医療体制: 最低限(医師は常駐せず、看護師も一部常駐)
いわゆる「特養」と呼ばれるこの施設は、身体的・精神的に在宅生活が困難になった高齢者が、終の住処として暮らせる場所です。
比較的費用も抑えられることから、入居希望者が多く、待機期間が長いこともあります。
② 介護老人保健施設(老健)
-
対象者: 要介護1~5の方で、入院治療は不要だが日常生活に介助が必要な高齢者
-
特徴: リハビリを通じて在宅復帰を目指す施設
-
医療体制: 医師・看護師が常駐している
「老健(ろうけん)」は、病院での治療を終えた高齢者が、在宅生活に戻るまでの中間施設としての役割を果たします。
理学療法士などによるリハビリ支援が充実しており、数か月の利用を前提としています。
③ 介護療養型医療施設(療養病床)
-
対象者: 要介護1~5の高齢者で、慢性的な病気の療養が必要な方
-
特徴: 医療と介護の両方を提供する
-
医療体制: 医師・看護師が24時間体制
療養病床とも呼ばれるこの施設は、急性期治療を終えた後も継続的に医療的ケアが必要な高齢者のための施設です。重度の身体障がいや疾患を抱える方にとって、安心して長期間入所できる医療施設でもあります。
※ただし、介護療養型医療施設は制度の再編に伴い、多くが【介護医療院】への移行が進められています。
💬 施設介護はどんな人に必要?
こんなケースでは、施設介護の利用が検討されます。
-
自宅での介護が難しくなった(例:独居高齢者、家族の介護負担が限界)
-
医療的なケアが頻繁に必要(例:点滴や褥瘡ケアが日常的に必要)
-
認知症が進行し、安全な環境での生活が求められる
また、介護保険の要介護認定を受けていることが利用の前提になります。
各施設の種類によって、対象となる要介護度が異なるため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して選ぶのが安心です。
🔍 まとめ:自分や家族に合った施設を選ぼう
施設介護は、「自宅での生活が難しい高齢者のための選択肢」のひとつです。
それぞれの施設には目的や役割の違いがあるため、高齢者本人の状態や希望、家族の状況に合わせて選ぶことが大切です。介護は一人で抱え込まず、制度や専門機関の力を上手に使いましょう。
さらに参照してください: