「保険金は時価で支払われます」と言われたけど、「時価」って何?と思ったことはありませんか?
保険の契約内容をしっかり理解するには、「時価」という用語の意味を正しく知っておくことが重要です。とくに火災保険や自動車保険では、この「時価」が支払額に大きく関わってきます。
この記事では、「時価」の基本的な意味と、火災保険・自動車保険における使われ方を初心者にもわかりやすく解説します。
時価とは?
「時価(じか)」とは、**ある物の現在の市場での価値(=現在の価格)**のことをいいます。
たとえば、10年前に購入した家具や車でも、今の時点で同じものを中古で売買したらいくらになるか?という**“今の価格”を表すのが時価**です。
これは、「新品でいくらだったか」ではなく、「今、そのモノがどれくらいの価値を持っているか」を基準とする考え方です。
火災保険における「時価」の意味
火災保険では、建物や家財が火災・台風・水害などで損害を受けた場合、「再調達価額(同等の物を新品で購入する価格)」を基準に保険金が支払われるのが一般的ですが、時価での支払いとなる契約も存在します。
🔍 時価=再調達価額 - 減価(経年劣化・消耗など)
つまり、時価は「再調達価額」から「使用年数や傷み具合に応じた価値の減少分」を差し引いた金額です。
🔧 具体例:
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再調達価額(新品購入価格):100万円
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経年劣化などの減価:40万円
→ 時価:60万円
この場合、火災で家財が全焼しても、保険金として支払われるのは60万円となります。
✅ ポイント:
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築年数が古い家や、長年使っている家電・家具などでは、時価が大きく下がる可能性があります。
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時価での補償契約をしている場合、「実際の再建費用との差額を自己負担する」ことになるため注意が必要です。
自動車保険における「時価」の意味
自動車保険では、事故で車が全損した場合などに「時価額」を基準として保険金が支払われます。
この場合の時価とは、**事故時点でのその車の市場価格(中古車市場などでの販売相場)**を指します。
🚗 例:
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契約時:新車で300万円
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事故発生時の市場価値:120万円
→ 支払われる保険金:120万円(=時価額)
自動車は年数とともに価値が大きく下がっていくため、5年落ちの車では「時価が新車の半分以下」となることも珍しくありません。
✅ ポイント:
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時価が保険金の上限になる
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車両保険を契約する際は「補償金額=時価」だと認識しておくことが大切です
「時価」と「再調達価額」の違いをおさえよう
用語 | 意味 | 支払われる保険金額の違い |
---|---|---|
時価 | 現在の市場価格(中古相場) | 経年劣化を考慮した金額(安め) |
再調達価額 | 同等の物を新品で買う費用 | 実際の買い替えに近い金額(高め) |
火災保険では「再調達価額」で契約するケースが増えていますが、「時価払い」になっている古い契約も多いため、契約内容をよく確認しておくことが重要です。
まとめ|「時価」は保険金額に直結する重要なキーワード
「時価」は、保険金額の算定に直接関わる大切な用語です。
特に火災保険や自動車保険では、時価=支払われる保険金の上限になるケースが多いため、契約時にしっかり内容を理解しておくことが、万一のときの備えにつながります。
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