普通株式とは

普通株式とは何か。初心者にもわかる特徴と種類株式との違いをやさしく解説

株式投資の世界でも、企業会計の場面でも、よく耳にする言葉が「普通株式」。でも、実際にどんな権利を持っていて、他の株式と何が違うのかを説明しようとすると、意外と難しかったりします。
この記事では、会社法のルールに基づきつつ、普通株式の基本と種類株式との違いをわかりやすく解説します。

これから株式投資を始める人にも、企業経理に携わる人にも役立つ内容になっています。

普通株式とは「株主の権利に制限のないスタンダードな株式」

普通株式とは、株主に付与される権利に特別な制限がなく、もっとも一般的な株式のことを指します。

普通株式を持つ株主は、
・配当を受け取る権利
・株主総会で議決権を行使する権利
・会社が清算された場合の残余財産の分配を受ける権利
など、株式会社における基本的な株主権をフルに持っています。

証券取引所で売買されている株式のほぼすべては、この普通株式です。投資家が普段取引しているのも基本的には普通株式なんだよね。

種類株式との違い

普通株式と対になる概念が「種類株式」。
これは、会社が特定の目的に合わせて権利内容を調整した株式のことで、普通株式とは異なるルールが設定されています。

会社法が導入されて以降、種類株式として認められているのは主に次の9種類です。

・配当を優先して受けられる株式
・清算時の財産分配を優先される株式
・議決権が一部または全部制限されている株式
・譲渡に会社の承認が必要な株式
・株主から会社に買取を請求できる株式
・会社側が一定条件で取得できる株式
・会社が総会決議で一括取得できる株式
・拒否権を持たせた「黄金株」
・特定の役員を選任できる株式

これらは会社が戦略的に資金調達したいときや、経営を安定させたいときなどに使われます。

普通株式が「標準装備」だとしたら、種類株式は「目的別にカスタマイズされた株式」というイメージですね。

種類株式の権利は会社法109条に基づく

種類株式について、会社法109条1項では次のように定められています。

・普通株式に対して、優先的な扱いまたは権利の制限を設けたものを種類株式とする
・内容や株数に応じて、株主は平等に扱われなければならない

つまり、たとえ権利内容が異なる株式を発行していても、株主間の公平性は維持されなければならないということ。
企業が自由にカスタマイズできるとはいえ、ルールの枠の中で行う必要があります。

普通株式が「標準」とされる理由

多くの企業が普通株式を中心に発行しているのには理由があります。

・投資家が理解しやすく、資金調達がスムーズになる
・権利内容がシンプルで透明性が高い
・証券市場での流動性が確保されやすい

もし種類株式ばかりだと、投資家は「どの株がどんな権利なのか」を細かく把握しないといけないため、市場としては複雑になりすぎるんだよね。

まとめ

普通株式とは、株主の基本的な権利に制限がなく、最も一般的な株式。
会社法上では、普通株式に特別な権利を付与したり制限を設けたものを「種類株式」と呼び、9種類が認められています。

株式投資を始める場合は、まず普通株式の性質を理解しておくことで、企業の資本政策や種類株式の役割も自然と分かりやすくなります。

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