死亡率とは

死亡率とは?計算方法と日本の傾向、高齢化との関係をやさしく解説

保険や公的統計の場面でよく出てくる言葉「死亡率(しぼうりつ)」。

生命保険の設計や、社会保障制度の見直しなどにも関わるこの指標は、単なる数字ではなく、**社会全体の健康状態や構造の変化を映す“鏡”**とも言えます。

この記事では、死亡率の意味や計算方法、日本の死亡率の推移、そして保険との関係について、初心者の方にもやさしく解説します。

✅ 死亡率とは?基本の意味をおさらい

死亡率とは、ある一定期間(通常は1年間)において、人口全体に対してどれだけの人が亡くなったかを示す割合です。

主に厚生労働省の「人口動態統計」などで毎年発表されており、公衆衛生や保険数理の現場でも重要な指標とされています。

🧮 死亡率の計算方法

死亡率は、以下の式で算出されます。

死亡率(‰)= 1年間の死亡者数 ÷ 総人口 × 1000

ここで「‰(パーミル)」とは、1000分の1を意味します。たとえば死亡率が「10‰」であれば、人口1000人あたり10人がその年に亡くなったということになります。

例:

  • 年間死亡者数:130万人

  • 総人口:1億2500万人
    → 死亡率:130万人 ÷ 1億2500万人 × 1000 ≒ 10.4‰

 

📈 日本の死亡率の傾向と背景

日本の死亡率は、1980年代以降、一貫して上昇傾向にあります。
これは、病気や事故が増えたからではなく、高齢化の進展によるものです。

● 主な要因:

  • 医療の進歩により寿命が延びた一方、人口の高齢者比率が上昇

  • 少子化によって若年層の割合が減少

  • 高齢者の自然死亡が統計上増加することで、全体の死亡率が高まる

つまり、死亡率が上がっているからといって、必ずしも「不健康な社会」になっているわけではないという点に注意が必要です。

🧑‍⚕️ 死亡率と保険の関係性

死亡率は、生命保険や年金保険などの保険設計に深く関係しています。

保険会社は、過去の死亡率や将来予測をもとに、「保険料」や「保障額」の計算に活用しています。
このような数理的分析を「保険数理(アクチュアリー業務)」と呼びます。

保険設計への影響例:

  • 死亡率が高い年代の保険料は上がる

  • 高齢者向けの保険商品は、死亡率を反映した設計がされる

  • 定期保険 vs 終身保険 のリスク見積りにも活用

 

💡 年齢別死亡率という考え方も重要

単に全体の死亡率だけでなく、年齢階級別の死亡率を見ることで、より詳細な人口動態やリスク管理が可能になります。

年齢層 死亡率(概算) 備考
20代 0.2~0.3‰ 事故・自殺などが主な要因
50代 2.0~4.0‰ がん・循環器系疾患が増加
80代以上 50‰以上 高齢化による自然死が多い

📝 まとめ:死亡率の意味を正しく理解しよう

項目 内容
死亡率とは 一定期間内に人口全体のうち死亡した人の割合(通常1年あたり)
計算方法 死亡者数 ÷ 総人口 × 1000(‰で表示)
日本の傾向 高齢化により1980年代以降上昇傾向(=健康状態が悪化しているとは限らない)
保険との関係性 保険料計算や商品設計に利用。特に生命保険のリスク評価で重要
年齢別分析 年齢ごとの死亡リスクの把握は保険や医療の設計にも役立つ

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