企業会計や簿記の学習をしていると「永久資産(えいきゅうしさん)」という言葉に出会うことがあります。
「永久資産って不動産のこと?」「減価償却しなくてもいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、永久資産の意味・土地が永久資産とされる理由・会計処理上の注意点を、会計の専門家としてわかりやすく解説します。
永久資産とは?
永久資産とは、使用しても価値が減少しない資産のことを指します。
その代表例が「土地」です。
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建物や機械設備は時間の経過とともに劣化し、価値が減少していきます。
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一方で土地は、自然災害などの特別な事情がない限り、利用を続けても価値そのものが失われることはありません。
このような性質から、土地は「永久に使用できる資産」として永久資産と呼ばれています。
永久資産と不動産の違い
「永久資産=不動産」と説明されることもありますが、これは正しくありません。
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不動産:土地や建物を含む
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永久資産:原則として土地のみ
建物は経年劣化するため減価償却の対象となります。したがって、永久資産と呼べるのは「土地」に限られるのです。
会計上の特徴と減価償却
通常、固定資産は耐用年数に基づいて減価償却を行います。
しかし、土地は価値が物理的に減少しないため、減価償却の対象外です。
ポイント
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建物・車両・機械 → 減価償却あり
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土地(永久資産) → 減価償却なし
ただし、土地といってもすべてが一定の価値を維持できるわけではありません。
会計上の「永久資産」とはあくまで「消滅しない」という概念であり、地価の変動によって評価額が下がる可能性はあることを理解しておきましょう。
永久資産の実務上の注意点
実務において土地(永久資産)を扱う際には、以下の点に注意が必要です。
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取得価額で計上される
→ 原則として購入時の金額で貸借対照表に載り、時価に合わせて計上し直すことはしません。 -
評価損の可能性
→ ただし、著しく地価が下落した場合には「固定資産の減損」として処理が必要になることがあります。 -
税務上の扱い
→ 減価償却できないため、土地自体を持っていても損金算入はできません。
まとめ
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永久資産とは「使用しても価値が減らない資産」であり、その代表例は土地。
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不動産のうち建物は減価償却が必要だが、土地は減価償却の対象外。
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地価の変動による評価損リスクはあるため、会計上は注意が必要。
土地は企業にとって特別な資産であり、資産計上や税務上の扱いに独自のルールがある点を理解しておくことが大切です。
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