交通事故や自動車保険を調べているときに目にすることがあるのが、「法令により定められた運転資格を持たない場合」という表現です。
これは、保険の約款や重要事項説明書に記載されており、事故時の保険金支払いに大きく関わる重要なポイントです。
本記事では、「運転資格を持たない場合」とはどのような状況か、そして保険金支払いにどう影響するのかをわかりやすく解説します。
「法令により定められた運転資格を持たない場合」とは?
これは、法律上必要な運転資格(運転免許)を有していない状態で運転していることを指します。
具体的には次のようなケースが該当します。
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運転免許を持っていない人
(例:免許を一度も取得していない、取り消し処分を受けた) -
免許停止中の人
(例:交通違反の累積点数による免許停止期間中に運転した場合) -
免許の種類に違反して運転している人
(例:普通免許しか持っていないのに中型トラックを運転した、原付免許で125ccのバイクを運転した)
例外として該当しないケース
次のような場合は「運転資格を持たない」に当たりません。
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免許証の住所変更手続き中
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紛失による再交付申請中
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免許証を単に携帯していないだけ(不携帯)
保険との関係 ― 保険金は支払われるのか?
自動車保険(任意保険・自賠責保険)の約款には、「法令により定められた運転資格を持たない場合」は免責(保険金が支払われない)と定められていることが一般的です。
つまり、無免許運転や免許停止中の運転で事故を起こした場合、以下のようなリスクがあります。
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対人・対物賠償保険:保険会社が一時的に被害者に支払っても、後から加害者本人に請求される(いわゆる「求償」)
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車両保険:自分の車の修理費は支払われない
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搭乗者傷害保険:同乗者の補償が受けられない場合がある
👉 ポイント
運転資格がない状態での事故は、「保険が使えない」=「多額の賠償を自腹で負う」可能性が高く、非常にリスクが大きいのです。
よくある疑問
Q. 免許証を家に忘れてしまった場合、事故を起こすと保険は下りない?
A. いいえ、単なる免許不携帯は「運転資格を持たない場合」には当たりません。警察から反則切符を切られる可能性はありますが、保険金の支払いには影響しません。
Q. 仮免許練習中に事故を起こした場合は?
A. 指定条件(仮免許練習標識の掲示・同乗者が有資格者など)を守っていれば問題ありません。条件を満たさず運転した場合は「運転資格がない」とみなされる可能性があります。
まとめ
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「法令により定められた運転資格を持たない場合」とは、無免許運転・免許停止中・免許条件違反での運転などを指す
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免許証の不携帯や手続き中は該当しない
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事故を起こした場合、自動車保険の保険金が支払われない、または本人に請求されるリスクがある
交通ルールを守ることはもちろんですが、保険の観点からも「運転資格を持っていない状態で運転すること」がいかに危険か、理解しておくことが大切です。
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