国民年金に加入していると、経済的な理由や特別な事情で保険料を納められない場合があります。その際に利用できる制度のひとつが「法定免除(ほうていめんじょ)」です。
この記事では、法定免除の仕組みや対象となる人、免除期間中の年金額がどう計算されるのかを、初心者にもわかりやすく解説します。
法定免除とは?
法定免除とは、国民年金の第1号被保険者(自営業者・フリーランス・学生・無職など)のうち、一定の条件を満たした人が届け出をすることで、保険料が全額免除される制度です。
「経済的に困難だから支払わなくても良い」という任意の免除とは異なり、法律上当然に免除される資格がある場合に適用されるのが特徴です。
法定免除の対象者
次のいずれかに該当する場合、届け出をすれば国民年金保険料が法定免除となります。
-
障害年金を受給している人
-
障害基礎年金
-
厚生年金や共済年金などの障害年金
-
-
生活保護の生活扶助を受けている人
-
ハンセン病療養所などに入所している人
-
国立またはその他のハンセン病療養所などで療養している場合
-
👉 これらに該当する人は、申請すれば保険料を支払わなくても「免除期間」として扱われます。
法定免除期間の年金額はどうなる?
気になるのは「免除期間があると将来の年金額はどうなるの?」という点です。
-
法定免除を受けた期間は、年金額の計算に反映される
-
ただし、保険料を全額納めた場合よりも受け取れる基礎年金額は少なくなる
具体的には、法定免除期間の年金額は以下のように計算されます。
-
平成24年度以降:満額の2分の1(国庫負担分のみ反映)
-
平成21年3月まで:満額の3分の1
つまり、たとえば1年間(12か月)法定免除を受けた場合、その期間は将来の基礎年金において 「6か月分納めた」と同じ扱い になります。
任意で「追納」も可能
法定免除を受けたあとでも、10年以内であれば「追納(ついのう)」して不足分を支払うことが可能です。
追納をすれば、その期間を「全額納付」と同じ扱いにでき、将来の年金額を増やすことができます。
まとめ
-
法定免除は、障害年金受給者・生活保護受給者・ハンセン病療養所に入所している人が対象。
-
免除期間中は保険料を納めなくてもよいが、将来の基礎年金額は半分(または3分の1)として計算される。
-
将来の年金額を増やしたい場合は、追納制度を活用するのがおすすめ。
法定免除は、生活を守るための重要なセーフティーネットです。対象になる方は、市区町村の窓口で必ず届け出を行いましょう。
さらに参照してください: