法定相続とは

法定相続とは?相続人と相続分の決まり方をわかりやすく解説

相続の手続きを考えるときに必ず出てくる用語のひとつが「法定相続(ほうていそうぞく)」です。
普段あまり耳にしない言葉ですが、いざ相続の場面に直面するととても重要な仕組みになります。

この記事では、法定相続の意味や相続人の範囲、相続分の決まり方について、初心者にもわかりやすく解説します。

法定相続とは?

法定相続とは、被相続人(亡くなった方)が遺言を残していない場合に、民法で定められたルールに基づいて財産を分ける仕組みのことです。

もし遺言書があればその内容が優先されますが、遺言がない場合は法律であらかじめ定められた「誰がどれだけ相続するのか」というルールに従うことになります。

法定相続人の範囲

法定相続が適用される場合、相続できる人(法定相続人)は法律で決められています。大きく分けると以下の順序です。

  1. 配偶者(常に相続人になる)

  2. 第1順位:子ども(実子・養子を含む)

  3. 第2順位:父母など直系尊属(第1順位がいない場合に限る)

  4. 第3順位:兄弟姉妹(第1・第2順位がいない場合に限る)

💡 例えば:

  • 配偶者と子どもがいる場合 → 配偶者と子どもが相続人

  • 子どもがいない場合 → 配偶者と父母が相続人

  • 子どもも父母もいない場合 → 配偶者と兄弟姉妹が相続人

 

法定相続分の割合

法定相続では、相続人の立場によって相続分(取り分)が決まっています。

  • 配偶者と子どもが相続人の場合
     配偶者:1/2、子ども:1/2(子どもが複数いる場合は均等)

  • 配偶者と父母が相続人の場合
     配偶者:2/3、父母:1/3

  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
     配偶者:3/4、兄弟姉妹:1/4

 

法定相続の具体例

例えば、夫が亡くなり、妻と子ども2人が残された場合。
遺言がなければ法定相続となり、財産は以下のように分けられます。

  • 妻:1/2

  • 子どもA:1/4

  • 子どもB:1/4

もし子どもがいなかった場合、妻と夫の両親が相続人となり、妻が2/3、両親が1/3を分け合うことになります。

法定相続の注意点

  • 遺言がある場合は遺言が優先される

  • ただし「遺留分(いりゅうぶん)」という最低限の取り分が認められているため、すべてを遺言で自由に決められるわけではない

  • 相続人の範囲や相続分は民法で厳格に定められているため、トラブルを避けるには専門家への相談も有効

 

まとめ

  • 法定相続とは、遺言がない場合に民法のルールに従って財産を分ける仕組み

  • 相続人には順位があり、配偶者は常に相続人になる

  • 相続分の割合は法律で明確に決められている

相続は感情的なトラブルになりやすい分野ですが、法定相続を正しく理解しておくことで、話し合いや手続きをスムーズに進めることができます。

さらに参照してください:

法定相続人とは?範囲や順位、注意点をわかりやすく解説