「源泉分離課税って何?」
「一時払保険や預金の利子って、どうやって税金がかかるの?」
そんな疑問を持つ方へ向けて、本記事では源泉分離課税の意味や対象、確定申告との関係について、初心者でもわかりやすく解説します。
🔍 源泉分離課税とは?
**源泉分離課税(げんせんぶんりかぜい)**とは、
ある特定の所得に対して、支払いの時点で一定の税率で所得税を**源泉徴収(あらかじめ差し引くこと)**し、それで納税が完結する方式のことです。
通常、所得税はすべての所得を合計して税額を計算します(総合課税)。
しかし源泉分離課税の対象となる所得は、他の所得と「分離」して扱われ、確定申告は原則不要です。
💡 なぜ「分離」して課税するの?
「源泉分離課税」の目的は次のようなものです:
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申告の手間を省くため
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少額の所得に対し、簡易かつ公平な課税を行うため
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税の徴収を確実にするため(源泉時点で税金を確保)
つまり、納税者にとっても、税務署にとっても効率的な課税方法といえます。
✅ 源泉分離課税の対象となる主な所得
以下のような所得が、源泉分離課税の対象になります:
所得の種類 | 説明 |
---|---|
預貯金の利子 | 銀行の普通預金・定期預金に付く利息など |
公社債の利子 | 国債、地方債、社債などの利息 |
一時払養老保険の差益 | 一定条件を満たす一時払契約で発生した利益 |
一時払損害保険の差益 | 満期保険金が支払われる保険での利益 |
▶ 例:銀行の利子
銀行に100万円を1年間定期預金し、1,000円の利子がついた場合:
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利子1,000円から税金(所得税+住民税:20.315%)が源泉徴収され、
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実際に受け取れるのは約797円
このように、利子が発生した時点で課税が完了しています。
🧾 源泉分離課税と確定申告の関係
原則として、源泉分離課税の対象所得については確定申告の必要はありません。
すでに税金が差し引かれているため、申告しても税金は戻ってこないケースが多いです。
ただし、以下のようなケースでは、例外的に確定申告を検討することがあります:
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非課税口座(NISA)などと誤って二重課税されている場合
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税務署に確認が必要な特例適用を受ける場合 など
🏦 一時払保険にかかる税金の注意点
保険に関連する源泉分離課税として特に注意したいのが「一時払養老保険や一時払損害保険の差益」です。
▶ 差益とは?
保険料(払込金額)よりも多く満期保険金などを受け取った場合、その「増えた分」が差益=所得として扱われます。
この差益が5年以内の契約期間の場合、源泉分離課税の対象となります。
5年超の契約期間であれば、「一時所得」として総合課税される可能性があります。
📌 源泉分離課税の税率はどのくらい?
税率は対象の所得によって異なりますが、主なものは以下の通りです:
所得の種類 | 税率(所得税+住民税) |
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預貯金の利子 | 20.315% |
一時払養老保険の差益等 | 20.315%(5年以下の契約) |
✅ まとめ|源泉分離課税は「完結型」のシンプルな課税方式
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源泉分離課税とは:所得の支払時に税金を引き、その時点で納税が完了する仕組み
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対象:預金利子、公社債利子、一時払保険の差益など
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確定申告は原則不要:申告不要なので手間が少ない
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税率は一律で明確:所得税+住民税で20.315%が基本
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