**為替ヘッジ(かわせへっじ)**とは、外貨の為替レートが変動するリスクを抑えるための手法です。
主に、通貨の先物取引やオプション取引などを利用し、将来的な為替変動による損失を軽減・回避することを目的とします。
たとえば、日本の投資家が外貨建て資産(米ドル建て債券など)を購入すると、将来円高になると日本円換算の価値が目減りする「為替差損」が発生します。
為替ヘッジを使うことで、こうした為替リスクをあらかじめコントロールできます。
為替ヘッジが必要になるシーン
以下のような場合に、為替ヘッジが検討されます。
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外貨建ての債券や投資信託を保有する場合
為替変動により日本円での資産価値が大きく上下するのを避けたいとき。 -
企業の海外取引
海外の取引先との売買代金が外貨建ての場合、為替レートの変動で利益が目減りするリスクを抑えたいとき。 -
輸出入業
収入や支払いが外貨建ての場合、レート変動によるコスト増を回避したいとき。
具体例:個人投資家の場合
例を挙げてみましょう。
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Aさんは、米ドル建ての債券に100万円を投資しました。
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購入時の為替レートは1ドル=100円だったので、10,000ドル分を保有。
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もし将来1ドル=90円の円高になれば、日本円換算では90万円になり、10万円の損失に。
これを避けるため、Aさんは「為替ヘッジ付き」の投資信託を選ぶことで、円高による為替差損を防げます。ヘッジコストはかかりますが、為替変動の影響を小さくできるのが魅力です。
為替ヘッジのメリットとデメリット
メリット
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為替リスクを軽減・回避できる
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資産価値の変動を抑え、安定性を高められる
デメリット
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ヘッジコストがかかる
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為替変動が有利な方向(円安など)に進んだ場合の利益も得られなくなる
為替ヘッジあり・なしをどう選ぶ?
投資の目的やリスク許容度によって選び方は変わります。
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安定性を重視したい人:為替ヘッジあり
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為替差益も狙いたい人:為替ヘッジなし
自分の資産計画や相場観を踏まえ、慎重に検討することが大切です。
まとめ
「為替ヘッジ」とは、為替変動による損失を抑えるための仕組みです。外貨建て資産への投資や企業の海外取引など、為替リスクを抱える場面で広く使われています。
個人投資家でも、「為替ヘッジあり」「なし」の投資商品を選べるので、リスクの取り方に合わせて上手に活用しましょう。
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