特定商取引法に基づく表記とは

特定商取引法に基づく表記とは?意味・必須項目・作り方をやさしく解説

特定商取引法に基づく表記は、ネットショップやオンラインサービスを運営する際に必ず記載しなければならない重要な情報です。
消費者と事業者のトラブルを防ぐために法律で義務づけられており、信頼性の高いショップ運営に欠かせません。
この記事では、特定商取引法に基づく表記の意味から必須項目、記載例までわかりやすく解説します。

1. 特定商取引法に基づく表記とは?(読み方:とくていしょうとりひきほうにもとづくひょうじ)

特定商取引法に基づく表記とは、事業者と消費者間のトラブルを未然に防ぐため、通信販売業者がサイト上に明示することを義務づけられた情報のことです。

対象となる代表的なケース:

  • ネットショップ(物販)

  • デジタルコンテンツ販売

  • サブスク(定期課金サービス)

  • オンライン講座・オンラインサロン

  • 電子チケット販売 など

特定商取引法(特商法)は消費者保護を目的とした法律で、
事業者情報・料金・返品条件・問い合わせ先などの透明性を確保するために制定されています。

2. なぜ特定商取引法に基づく表記が必要なのか?(理由)

① 消費者が安心して購入できる

運営者が不明なサイトは詐欺リスクが高く、購入をためらわれます。
特商法表記を整えることは、信頼性を高める最も基本的なステップです。

② トラブルを未然に防ぐ

  • 返品できないのに後から「返品したい」と言われる

  • サブスクの解約条件をめぐってトラブルになる
    …などの誤解を減らせます。

③ 法令違反のリスクを回避

特商法表記がない、または不備があると行政指導や業務停止の可能性があります。

オンライン決済を導入する事業者にとって、
特商法表記は安全な運営の“土台”と言える重要な要素です。

3. 特定商取引法に基づく表記の必須項目(わかりやすく一覧にまとめ)

特商法で定められている、基本的な記載項目は以下の通りです。

● 1. 事業者名(屋号)

法人名・個人事業主名を記載。
ペンネームやニックネームは不可。

● 2. 責任者の氏名

事業責任者(代表者)を明確にする。

● 3. 所在地(住所)

建物名や部屋番号まで省略せず記載。
※自宅公開が難しい個人事業主は「バーチャルオフィス」などを利用するケースも多い。

● 4. 電話番号

消費者が連絡できる番号を掲載。

● 5. メールアドレス

問い合わせ用のメールアドレス。

● 6. 販売価格(商品・サービスの料金)

税込価格での表記が望ましい。

● 7. 商品代金以外の料金

送料・決済手数料(銀行振込・代引きなど)・サービス利用料など。

● 8. 代金の支払い方法

  • クレジットカード決済

  • 銀行振込

  • コンビニ決済

  • 電子マネー

  • キャリア決済
    など

● 9. 支払い時期

例:注文後7日以内/毎月◯日課金など。

● 10. 商品の引き渡し時期

例:即時ダウンロード、3営業日以内発送など。

● 11. 返品・キャンセルに関するポリシー

  • デジタルコンテンツは“返品不可”が基本

  • 物販の場合は「未開封のみ返品可」といった条件も明記

● 12. 不良品・配送事故への対応

交換条件などを記載。


4. どこに掲載すべき?(場所のルール)

特定商取引法に基づく表記は、
ユーザーが簡単に見つけられる場所にリンクを設置することが義務です。

よくある配置場所:

  • サイトのフッター

  • 購入ページの近く

  • 利用規約ページの隣

ECサイトやオンライン決済ページに誘導する場合は、
決済前に必ず確認できる状態にしておく必要があります。

5. 特定商取引法に基づく表記の“正しい作り方”を具体例で紹介

以下は、初心者向けのシンプルな記載例です。

【記載例】

販売事業者名:ABCオンラインストア
責任者名:山田太郎
所在地:東京都新宿区〇〇1-2-3 ABCビル5階
電話番号:03-XXXX-XXXX
メールアドレスinfo@example.com

販売価格:商品ページに記載
商品以外の費用:送料一律500円、銀行振込手数料(利用者負担)
支払い方法:クレジットカード、銀行振込、電子マネー(PayPay)、コンビニ決済
支払い時期:注文確定後7日以内
引き渡し時期:入金確認後2営業日以内に発送
返品・キャンセル:商品到着後7日以内。デジタル商品は返品不可
不良品対応:送料当社負担で交換対応

6. 特商法表記に関するよくある誤解と注意点(専門家視点)

❌ Q1.「個人事業主だから書かなくてもいい」→ 間違い

個人でも事業として販売していれば必須です。

❌ Q2.「住所は市区町村まででOK」→ 不足

建物名・部屋番号まで必要。

❌ Q3.「電話番号は非公開でいい」→ 原則 NG

消費者が連絡可能な連絡先が必要。
※迷惑対策としてIP電話番号を使用する事業者も多い。

❌ Q4.「決済ページだけに表示すればOK」→ 不十分

サイト内のどこからでも確認できる必要があります。

7. まとめ:特定商取引法に基づく表記は信頼を作る“店舗の顔”

特定商取引法に基づく表記は、単なる義務ではなく、
消費者と事業者の信頼関係を守るための重要な仕組みです。

  • トラブル防止

  • 信頼性アップ

  • 法令遵守によるリスク回避

これらを実現するため、必須項目を正しく記載し、
ユーザーが迷わず確認できる場所に設置しておくことが成功のポイントです。

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