「特定感染症」という言葉は、保険の約款や医療制度の説明で見かけることがありますが、一般生活ではあまり耳慣れないかもしれません。
本記事では、法律上の定義から具体的な病名、そして保険契約における取り扱いまでをわかりやすく解説します。
特定感染症の定義
特定感染症とは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において定められた特定の疾病のことです。
これらは、発症すると重篤な症状や感染拡大の危険性が高いため、特別な管理や医療措置が必要とされます。
主な特定感染症の例
感染症法に基づき、以下のような疾病が特定感染症に該当します。
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コレラ
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細菌性赤痢
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ジフテリア
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腸チフス
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その他、感染拡大や重症化の恐れが大きいと判断される感染症
分類:法定伝染病と指定伝染病
特定感染症はさらに「法定伝染病」と「指定伝染病」に分類されます。
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法定伝染病:法律で常時、感染症として指定されている病気
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指定伝染病:特定期間、特定の病気を緊急的に感染症として指定するもの(新たな感染症流行時など)
感染症の概要
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入し、増殖して毒素を出すことで発熱・下痢・呼吸器症状などを引き起こす病気の総称です。
感染経路はさまざまで、人から人へ、動物や昆虫から、または食物を介して感染する場合があります。
保険との関係
かつて存在した伝染病予防法(平成11年3月廃止)の時代には、保険契約の約款において、法定伝染病や指定伝染病を原因とする給付の可否が明記されていました。
現在も、過去の約款に基づく保険給付の判断では「特定感染症に該当するかどうか」が基準になる場合があります。
例:
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旧約款に基づく入院給付金の請求で、入院原因が腸チフス → 特定感染症該当と判断され支払対象になるケース
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一方で、一般的な風邪やインフルエンザは特定感染症には該当しないため対象外
まとめ
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特定感染症は、感染症法で定められた特に管理が必要な感染症の総称
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コレラ、細菌性赤痢、ジフテリア、腸チフスなどが代表例
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法定伝染病と指定伝染病に分かれる
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保険契約では、給付対象かどうかの判断基準になる場合がある
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