生命保険に加入していると、ある年に「配当金」が振り込まれていたり、契約内容に「配当金あり」と書かれていたりすることがあります。この配当金のひとつが**「社員配当金(しゃいんはいとうきん)」**です。
特に相互会社という形式の生命保険会社で契約している場合、「社員」としての立場から配当を受け取れる可能性があることをご存じでしょうか?
この記事では、社員配当金の意味や仕組み、保険契約との関係について、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 社員配当金とは?基本の意味をおさらい
社員配当金とは、相互会社形式の生命保険会社で契約している契約者(=社員)に支払われる配当金のことをいいます。
通常、年に1回配当が行われることが多く、これは「社員配当」とも呼ばれます。
🏛 相互会社と「社員」の関係
生命保険会社には「株式会社」と「相互会社」の2つの組織形態があります。
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株式会社:株主が会社の所有者
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相互会社:保険契約者が「社員」となり、会社の構成員となる
つまり、相互会社では契約者が“社員”として扱われるため、経営成績に応じて社員配当金というかたちで利益が還元される仕組みになっているのです。
💡 なぜ配当金が支払われるの?
保険会社が保険料を設定する際には、以下の3つの「予定率」が使われます:
項目 | 内容 |
---|---|
予定死亡率 | 想定される死亡者数に基づくリスク評価 |
予定利率 | 資産運用による想定利回り |
予定事業費率 | 事業運営に必要なコストの想定 |
これらは「予定」に過ぎないため、実際の運営が予定より良い結果(たとえば死亡率が低かった、運用利回りが高かった、経費が節約できた)になった場合、余剰金(剰余金)が発生します。
この剰余金の一部を契約者(社員)に還元する形で支払われるのが、社員配当金です。
📦 社員配当金の受け取り方法・使い道
社員配当金は、契約者の保険内容や会社の方針により、次のような方法で処理されることがあります:
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現金で受け取る
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保険料に充当される(払い込み軽減)
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積立てて利息を付ける
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保険金額の増額に使う(増加配当)
契約時に選択できる場合もありますし、保険会社ごとに運用方針が異なるため、詳細は保険証券や担当者に確認することをおすすめします。
🧭 注意点:配当は必ずもらえるわけではない
社員配当金は**「契約時に約束されたもの」ではありません**。
つまり、次のような特徴があります:
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非保証:その年の経営状況によって支払われないこともある
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金額は変動:配当額は年度や契約内容によって異なる
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すべての保険が対象ではない:そもそも配当のない「無配当型」保険も存在する
保険選びの際に、「配当あり・なし」は大事なポイントのひとつです。
📊 まとめ|社員配当金のポイント早わかり
項目 | 内容 |
---|---|
社員配当金とは | 相互会社の生命保険会社が、契約者(社員)に支払う配当金 |
もとになる利益 | 予定死亡率・予定利率・予定事業費率との差から生じた剰余金 |
支払いの有無 | 経営状況に応じて年1回程度。保証されているわけではない |
受け取り方 | 現金、保険料充当、積立、保険金増額などから選択可能 |
対象となる契約 | 主に「配当あり」の保険商品。無配当型の契約では対象外 |
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