**簡易生命表(かんいせいめいひょう)**は、日本に住む日本人の「平均余命」や「死亡率」をまとめた統計資料のひとつです。
特に保険分野や社会保障制度を理解するうえで重要な基礎知識です。
ここでは、初心者の方にもわかりやすく、役割や仕組みを具体例も交えて解説します。
簡易生命表とは?
簡易生命表は、
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ある年における日本人の死亡状況をもとに
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「もし今後もその死亡状況が変わらなかったら」という仮定で
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年齢ごとの死亡率、平均余命などを計算しまとめたもの
です。
つまり「もし今年と同じように人が亡くなっていくと仮定した場合、各年齢の人があと何年生きられるか」を試算する資料です。
誰が作っているの?
厚生労働省が、人口、死亡数、出生数などの統計をもとに、毎年作成・公表しています。
例年「簡易生命表(暦年)」として発表され、前年の死亡状況を反映した最新データがわかるようになっています。
具体的にどんなデータが載っているの?
主な内容は以下の通りです。
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年齢別死亡率:ある年齢の人が1年以内に亡くなる確率
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平均余命:現在その年齢の人が、あと平均で何年生きると期待されるか
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生存数:仮に同じ条件で10万人が生まれた場合、各年齢まで生き残る人数
たとえば、簡易生命表を見ると「65歳男性の平均余命は〇年」といった具体的な数字がわかります。
標準生命表との違いは?
よく似た言葉に「完全生命表(標準生命表)」があります。
項目 | 簡易生命表 | 完全生命表 |
---|---|---|
作成頻度 | 毎年 | 5年に1度程度 |
データの詳細 | 簡易的・速報的 | 詳細な分析を含む正式版 |
用途 | 年次の変化把握、保険・統計の参考に | 保険料率計算、公的制度の基準など |
たとえば、民間保険会社が保険料を設計するときなどは、より詳細な完全生命表を用いるケースが多いです。
どんな場面で使われる?
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生命保険・年金保険の設計
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公的年金制度の見直し
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将来人口推計の基礎データ
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健康政策や医療計画
保険加入を検討する人が「平均余命」を目安に保険期間を決めたり、年金の受給時期を考える際の参考にすることもできます。
【具体例】65歳男性の平均余命は?
最新の簡易生命表(例:2022年版)では、
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65歳男性の平均余命は約20年
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65歳女性の平均余命は約24年
とされています。
つまり「65歳時点で平均すると、男性は85歳、女性は89歳くらいまで生きる」というイメージです。
まとめ
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簡易生命表は、日本人の年齢別死亡率や平均余命を毎年まとめた統計資料
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厚生労働省が公表し、公的年金や保険などさまざまな分野で活用
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「将来も同じ死亡状況が続く」と仮定した試算
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保険の加入や老後設計の参考にもなる
保険や年金を考える際、平均余命を知っておくことはとても大切です。興味のある方は、厚生労働省の公式サイトなどで最新の簡易生命表を確認してみてください。
さらに参照してください: