ローンやクレジットカードの利用明細を見ると、
「約定金利(やくていきんり)」という言葉を見かけることがあります。
約定金利は、返済総額を決めるとても重要な要素ですが、
一般の利用者には少し分かりづらい言葉かもしれません。
本記事では、クレジット分野で5年以上の実務経験を持つ専門家として、
約定金利の意味や仕組み、適用されるシーン、注意点をわかりやすく解説します。
約定金利(Engaged Rate of Interest)とは?
約定金利とは、契約時に当事者同士で取り決める利率のこと。
銀行ローンやカードローン、クレジットカードのリボ払いなどで用いられる「約束された金利」です。
ポイント
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金利は「後から勝手に変えられない」
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契約書に明記される
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支払う利息額を決める大事な要素
利用者が支払う利息は、基本的にこの約定金利に基づいて算出されます。
約定金利が使われる主なケース
✔ ① カードローン・個人向けローン
銀行や消費者金融のローンでは、申込者の信用力に応じて金利が決定され、
その金利が「約定金利」となります。
例:年15.0% など
✔ ② クレジットカードのリボ払い・分割払い
クレジットカードのリボ払いには、あらかじめ金利が設定されています。
例:リボ払い手数料 年率15.0%
→ これが「約定金利」
✔ ③ 住宅ローン・自動車ローン
変動金利型でも、適用金利が決まった時点で「約定金利」となり、
その金利に基づいて毎月の返済額が計算されます。
約定金利はどう決まる?
約定金利は、以下の要素によって決まります。
● 申込者の信用力(信用情報)
返済遅延がなく信用度が高い人ほど、低い金利が適用されやすいです。
● ローンの種類
無担保ローンは金利が高くなり、住宅ローンのような担保付きローンは低くなります。
● 市場金利
金融市場の金利動向に合わせて、各社の金利も見直されます。
約定金利と実質年率(APR)の違い
混同しやすい用語ですが、意味が異なります。
✔ 約定金利
契約で取り決めた「純粋な利率」
✔ 実質年率(APR)
利息+手数料などを含めた「実際の負担を示す指標」
特にクレジットカードやカードローンでは、「実質年率」で比較することが大切です。
約定金利が高いとどうなる?
約定金利が高ければ高いほど、毎月支払う利息が大きくなるため、
結果として返済総額が増えてしまいます。
例:10万円を年15%で借りた場合
年間の利息:約15,000円
金利が1%違うだけでも、長期で見ると総支払額に大きな差が生まれます。
約定金利を確認すべき理由
✔ 返済総額を把握できる
金利は返済の基本となる数字なので、事前に知ることで返済計画を立てやすくなります。
✔ 借り換えの判断材料になる
より低金利のローンに乗り換えることで、返済額を大きく減らせることがあります。
✔ トラブル防止
契約書に書かれている金利を確認していないと、予想以上の利息が発生することも。
約定金利を下げるためのポイント
● 信用情報を良好に保つ
支払い遅延を避けることで、低金利ローンが通りやすくなります。
● 借り換えを検討する
より低金利のローンに借り換えれば、利息負担が軽くなります。
● 収入証明を提出する
信用力が上がり、金利が下がるケースもあります。
まとめ:約定金利は「契約で取り決めた利率」。返済計画の要となる重要な指標
最後に重要ポイントを整理します。
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約定金利=契約時に決められる利率
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ローンやリボ払いの利息計算に使われる
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返済総額に大きく影響する重要な項目
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実質年率(APR)とは異なる概念
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事前に確認し、返済計画に反映させることが大切
金利の仕組みを正しく理解することで、ムダな利息を払わずに賢く金融サービスを利用できます。
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