総代会(そうだいかい) とは、保険会社のうち相互会社形態の企業で設置される、最高意思決定機関のことです。
株式会社における株主総会に相当し、契約者(社員)から選ばれた総代によって構成されます。
相互会社と株式会社の違い
まず、総代会を理解するには、保険会社の会社形態の違いを知っておくとわかりやすいです。
項目 | 株式会社 | 相互会社 |
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構成員 | 株主 | 契約者(社員) |
最高意思決定機関 | 株主総会 | 総代会 |
利益の配分 | 配当金 | 剰余金の分配や保険料の還元 |
相互会社では、契約者がそのまま会社の構成員(社員)となります。
ただし全国に多数いる契約者全員が集まるのは現実的ではないため、代表者である総代を選び、その総代で構成される会議体が総代会です。
総代会の主な役割
総代会は、会社運営に関する重要事項を決議する場です。
保険業法により、相互会社は総代会を設置し、次のような事項を決めます。
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定款の変更
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剰余金の処分(契約者配当など)
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取締役や監査役の選任・解任
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合併・事業譲渡などの重要事項の承認
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決算承認
株主総会との違い
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株式会社の株主総会は「出資者(株主)」の利益を守る場ですが、
相互会社の総代会は「契約者(社員)」の利益を守る場です。 -
株主総会の構成員は株主全員、総代会の構成員は選出された総代です。
総代会の流れ(例)
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議案の提示
会社側から決算案や定款変更案などの議題が提示されます。 -
説明と質疑応答
経営状況や議案内容について、取締役や執行部が説明し、総代から質問が出ます。 -
採決
多数決により可決・否決が決まります。
具体例:生命保険会社の総代会
例えば、日本の大手生命保険会社(相互会社)では、毎年1回「定時総代会」が開催されます。
全国から選ばれた総代が一堂に会し、前年の決算報告や契約者配当の額、役員の選任などを決定します。
この決議は契約者全体に影響を与えるため、非常に重要です。
まとめ
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総代会は、相互会社における最高意思決定機関
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契約者(社員)から選ばれた総代で構成される
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株式会社の株主総会に相当
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定款変更や役員選任など会社運営の重要事項を決める場
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