繰下げ受給とは

繰下げ受給とは?年金を遅らせて受け取るメリットと注意点を解説

年金は通常 65歳から受け取り開始 ですが、希望すれば65歳で請求せずに 66歳以降75歳まで 繰り下げることができます。これを「繰下げ受給(くりさげじゅきゅう)」といいます。

繰下げを選ぶと、その期間に応じて 年金額が増額され、一生涯その金額が続く という大きな特徴があります。老後の生活資金をより充実させたい方にとって、注目すべき制度です。

繰下げ受給の仕組み

  • 対象となる年金

    • 老齢基礎年金

    • 老齢厚生年金
      (この2つはそれぞれ別々に繰り下げ可能です)

  • 受給開始年齢

    • 66歳から75歳まで選択可能

    • ※昭和27年4月1日以前生まれ、または平成29年3月31日以前に受給権が発生している方は70歳が上限

 

増額率の仕組み

繰下げる期間が長いほど年金額は増えます。

  • 1か月繰り下げるごとに 一定の増額率 が加算

  • 一度増額された金額は、その後一生涯続く

例えば70歳まで5年間繰り下げた場合、65歳から受け取るよりも 年金額が大幅に増加 します。長生きすればするほど、結果的に受け取る総額が多くなる可能性があります。

繰下げ受給のメリットとデメリット

メリット

  • 年金額が増え、一生涯その金額が保証される

  • 老後後半の生活資金を厚くできる

  • 長生きすればするほど有利になる

デメリット

  • 受給開始を遅らせる間は収入がなくなる

  • 健康状態や寿命によっては、総額が少なくなる場合もある

  • 生活資金に余裕がないと選びにくい

 

こんな人に向いている

  • 貯蓄や退職金があり、65歳以降すぐに年金がなくても生活できる人

  • 「老後後半の資金を手厚くしたい」と考えている人

  • 健康に自信があり、長生きする可能性が高い人

 

繰上げ受給との違い

年金には60歳から早めに受け取れる「繰上げ受給」もあります。

  • 繰上げ受給 … 早く受け取れるが、減額が一生続く

  • 繰下げ受給 … 遅らせることで、増額が一生続く

この違いを理解し、自分のライフプランに合わせて選択することが重要です。

まとめ

「繰下げ受給」は、65歳以降の年金受給を遅らせることで 年金額を増やせる制度 です。

  • 最大75歳まで繰り下げ可能

  • 繰り下げた分だけ一生涯年金額が増加

  • 健康状態や生活資金に応じて選ぶことが大切

👉 将来の安心のために、繰下げ受給を「老後の資金戦略のひとつ」として検討してみましょう。

さらに参照してください:

経過的加算とは?65歳以降の年金額を保障する特別な仕組みを解説