脱退手当金とは

脱退手当金とは?制度の概要と廃止の経緯をわかりやすく解説

「脱退手当金」という言葉を聞いたことはありますか?
かつて厚生年金に加入していた人に支給されていた一時金ですが、現在では基本的に廃止されています。
この記事では、脱退手当金の仕組みや廃止の理由を、年金制度に詳しくない方にもわかりやすく解説します。

脱退手当金とは

脱退手当金(だったいてあてきん)とは、厚生年金の加入期間が5年以上あるにもかかわらず、老齢年金などの給付を受けられないまま60歳で資格を喪失した人に対して、例外的に支給されていた一時金です。

これは、長期間保険料を納めても年金を受け取れない人への救済措置として設けられていました。

制度が廃止された理由

この制度は昭和61年(1986年)の基礎年金制度導入に伴って廃止されました。
その理由は、基礎年金の仕組みによって「1カ月でも国民年金に加入すれば、将来老齢年金を受け取れる」ようになったためです。

つまり、制度改正により「年金を全く受け取れない」というケース自体がほとんどなくなったため、脱退手当金は役割を終えたのです。

現在の対象者

現在も脱退手当金の支給対象となるのは、昭和16年(1941年)4月1日以前に生まれた方に限られています。
これは、基礎年金制度が導入される前にすでに高齢となっていた方々を救済するための経過措置です。

まとめ

  • 脱退手当金は、厚生年金加入5年以上で60歳時に年金を受け取れない人に支給された一時金。

  • 1986年(昭和61年)の基礎年金導入で廃止された。

  • 現在は1941年(昭和16年)4月1日以前生まれの人のみが対象。

年金制度は時代とともに改正が繰り返されてきました。現在では老齢年金を受け取れる仕組みが整っているため、脱退手当金は歴史的な制度となっています。

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