自己宛小切手(じこあてこぎって)は、銀行が自らを支払人として発行する特別な小切手です。
不渡りになるリスクがほとんどなく、高い信用性を持つ決済手段として、企業間取引や高額な支払いに利用されます。
この記事では、自己宛小切手の仕組み、種類、利用目的について、初心者にもわかりやすく解説します。
自己宛小切手の基本的な仕組み
自己宛小切手とは、銀行が自分自身を支払人として振り出した小切手のことを指します。
通常の小切手は「振出人」「支払人」「受取人」という三者で構成されますが、自己宛小切手では銀行が振出人と支払人を兼ねており、事実上は二者間の取引構造になります。
この形式により、発行銀行が確実に支払を保証するため、不渡り(支払い不能)となる危険性が極めて低いという大きな特徴があります。
自己宛小切手の種類
自己宛小切手は、主に以下の2種類に分けられます。
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預金小切手(預手)
振り出した銀行が、自分自身の店舗を支払人として指定している小切手です。
銀行内部で処理が完結するため、手続きが迅速で信頼性も高いのが特徴です。 -
送金小切手
振り出した銀行が、他店舗または他の銀行を支払人として指定する小切手です。
遠隔地への送金や、他支店への支払いに利用されます。
自己宛小切手の主な利用目的
自己宛小切手は、不渡りリスクを避けたい取引で利用されることが多くあります。
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信用度の低い企業が、支払いや送金時に信用を補うために使用する
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不動産売買などの高額取引で、現金を持ち運ぶリスクを避けるために利用される
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商取引上で、現金同等の扱いをされるケースも多い
つまり、「安全で確実に支払いたい」取引において、自己宛小切手は非常に便利な手段といえます。
銀行側の手続き
銀行が自己宛小切手を発行する際は、以下の流れで行われます。
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依頼人が自己宛小切手の発行を申請
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銀行が依頼人から入金、または預金口座からの振替を確認
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確認後に、銀行が自己宛小切手を振り出す
このように、実際の支払い資金を確保してから発行されるため、支払い不能となるリスクがほとんどないのです。
まとめ
自己宛小切手は、銀行自身が支払を保証する小切手であり、不渡りの危険性が極めて低い安全な決済手段です。
特に、取引の信頼性を高めたい場合や、高額な支払いを安全に行いたい場合に有効です。
会計実務でも現金に近い扱いをされるため、その特性を理解しておくことは企業経理において重要です。
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