自賠法とは

自賠法とは?自賠責保険の根拠となる法律をわかりやすく解説

自動車やバイクを運転する人なら誰でも関係しているのが、「自賠責保険」。
そして、その保険の根拠になっているのが今回ご紹介する**「自賠法(じばいほう)」**です。

「聞いたことはあるけど、どんな法律?」
「自賠法って、運転手にどんな影響があるの?」

そんな疑問に答えるため、本記事では自賠法の目的・内容・背景を初心者向けにわかりやすく解説します。

✅ 自賠法とは? ── 自賠責保険を義務化した法律

自賠法は、正式名称を「自動車損害賠償保障法(じどうしゃそんがいばいしょうほしょうほう)」といい、1955年(昭和30年)に施行された法律です。

この法律では、自動車やバイクの運行中に事故が起きたとき、被害者が適切な損害賠償を受けられるようにするための仕組みが定められています。

🎯 自賠法の目的

自賠法の目的は大きく2つあります:

  1. 交通事故の被害者を保護すること
     → 医療費や損害賠償を確実に受け取れるようにする

  2. 自動車運送の健全な発展を促進すること
     → 加害者が自己破産しないよう、社会全体の信頼性を確保

このように、被害者と加害者の両方を守ることを意識した法律といえます。

🔒 なぜ自賠責保険の加入が「義務」なのか?

自賠法では、「自動車損害賠償責任保険(=自賠責保険)」または「自動車損害賠償責任共済」の契約をすべての運行車両に対して義務付けています。

▷ 背景にある社会的課題

かつては、自動車事故の加害者が賠償能力を持たないまま逃げたり、被害者が泣き寝入りするケースが多発していました。
その反省をもとに生まれたのが、この自賠法による強制保険制度です。

🧯 自賠法に基づいて補償される事故の範囲は?

✅ 補償されるのは「人身事故」のみ

  • 死亡

  • ケガ(治療費・通院費など)

  • 後遺障害

❌ 対象外のもの

  • 相手の車・自転車・建物などの損壊(=物損事故)

  • 自分自身のケガや車の修理代

🔍 人の生命・身体を守ることが第一目的であり、物損は対象外という点がポイントです。

📘 具体例で見る「自賠法があるおかげで守られるケース」

ケース:歩行者との接触事故

20代のCさんがバイク運転中、横断歩道を渡っていた歩行者に接触し、ケガをさせてしまった。

  • Cさんには任意保険が未加入

  • しかし自賠責保険には加入していたため、相手の治療費・慰謝料等の一部を保険で支払うことができた

このように、加害者の支払い能力に関係なく、最低限の補償がなされるのが自賠法の成果です。

⚠ 自賠法に違反するとどうなる?

自賠法で定められた保険に加入せずに運転した場合、法律違反として罰則が科されます

▷ 罰則の内容:

  • 1年以下の懲役または50万円以下の罰金

  • 免許停止処分(違反点数6点)

  • 事故時の賠償金を全額自己負担

💥 加入していないと、万一のときに人生を大きく左右するリスクがあります。

📝 まとめ|自賠法は「被害者を守るための最低限の備え」

項目 内容
法律名 自動車損害賠償保障法(自賠法)
施行年 昭和30年(1955年)
主な目的 交通事故被害者の保護/自動車運送の健全な発展
加入義務 自賠責保険または共済への加入が義務化
補償範囲 人身事故(死亡・ケガ・後遺障害)のみ

自賠法は、交通社会における安心と安全を支える大切な法律です。
保険は「自分のため」だけでなく、「相手の命と生活を守る」ための制度であるという意識を持つことが大切です。

さらに参照してください:

【持病とは?】保険加入への影響や入りやすい保険の種類も解説