「親権(しんけん)」という言葉、ニュースや家庭裁判所の話題などで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実はこの「親権」は、法律上の“権利”であると同時に、“義務”でもあります。特に保険や相続、教育などお金に関わる場面でも関係してくる重要な概念です。
この記事では、初心者の方でも理解しやすいように「親権」の意味や内容、具体的な権利の中身、関連する場面についてやさしく解説します。
✅ 親権とは?──基本の定義
親権とは、未成年の子どもを保護・監督し、その財産を管理するために、親(父母)がもつ法律上の権利と義務のことです。
民法上では、以下の2つに大きく分けられます:
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身上監護権(しんじょうかんごけん)
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財産管理権(ざいさんかんりけん)
🧒 身上監護権とは?──子どもの生活を守る権利
身上監護権とは、未成年の子どもが健やかに成長できるよう、親が生活面で適切に監督・指導するための権利です。
主な内容:
項目 | 内容 |
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監護教育権 | 子どもの育成や教育を行う権利義務(しつけ、学校選びなど) |
居所指定権 | 子どもの住む場所を決める権利(転居・同居の決定など) |
職業許可権 | 子どもが仕事に就く際の許可(労働基準法とも関連) |
※例えば、中学生の子どもが勝手にアルバイトを始めるには、原則として親の許可が必要です。
💰 財産管理権とは?──子どものお金を守る権利
財産管理権は、子どもが所有する財産やお金を親が代理で管理・処分することができる権利です。
たとえば、未成年の子どもが祖父母から贈与された預金や土地などを持っていた場合、それをどう管理するかを判断するのは親権者です。
ただし、以下のようなケースでは「家庭裁判所の許可」が必要になります:
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子の不動産を売却する
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多額の契約(例:投資信託)を行う など
👪 両親が離婚した場合の親権は?
両親が離婚する際、どちらが親権をもつかが重要なポイントとなります。
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原則として、未成年の子どもについては父または母のどちらか一方が親権者になる必要があります(共同親権は不可)
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親権の取り決めは協議または家庭裁判所の審判によって決定されます
例:
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親権をもつ:子どもと一緒に住み、教育・財産管理などの全般を担う
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親権をもたない:養育費を支払う義務は残ることがある
📚 保険・相続と「親権」の関係
親権は、保険や財産管理といった**“お金に関わる場面”でも重要な役割**を果たします。
保険の例:
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未成年の子どもを被保険者にする際、契約は親権者が行う
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学資保険やこども保険では、親が契約者・子が被保険者になるケースが多い
相続の例:
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未成年の子が相続人になる場合、財産の管理は親権者が行う
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ただし、利益相反行為(例:親自身も相続人の場合)では「特別代理人」の選任が必要になることも
🔍 まとめ:親権とは「子を守る法的な責任と力」
親権は、「子どもの生活と財産を守るための包括的な法的責任」ともいえるものです。
単なる“親の権利”ではなく、子どもが健やかに育つための義務と責任も強く伴います。
保険や相続、教育などの実生活においても密接に関係してくるため、特にお子さんを持つご家庭では知っておきたい基本用語のひとつです。
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