海外との取引には、大きなビジネスチャンスがある一方で、国内取引にはないさまざまなリスクも存在します。
そのリスクから企業を守るのが 「貿易保険(ぼうえきほけん)」 です。
この記事では、貿易保険の基本的な仕組みや対象となるリスク、実際にどのような場面で役立つのかをわかりやすく解説します。
貿易保険とは?
貿易保険とは、輸出入や仲介貿易、海外投資など国際的な取引において発生するリスクを補償する保険 のことです。
例えば、次のようなケースで企業が被る損失をカバーします。
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国際紛争やテロなどの 非常危険
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取引相手の破産や代金未払いなどの 信用危険
国内の通常の保険ではカバーしきれない「国際取引特有のリスク」を補償する点が特徴です。
貿易保険でカバーできる主なリスク
貿易保険は、大きく分けて以下のようなリスクを補償します。
1. 非常危険(政治的リスク)
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戦争や内乱、革命、テロ行為
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政府による送金制限や輸入規制
こうした不可抗力の事態によって、代金を受け取れなくなる可能性を補償します。
2. 信用危険(商業的リスク)
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取引先企業の倒産
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支払い遅延や債務不履行
輸出代金を回収できなくなった場合に備えることができます。
貿易保険の具体的な利用シーン
実際にどんな場面で貿易保険が役立つのか、いくつか例を挙げます。
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ケース1:新興国へ輸出する場合
政情が不安定な国に輸出した際、戦争や政府の規制によって代金を受け取れなくなるリスクを補償。 -
ケース2:初めて取引する海外企業との契約
信用情報が少ない企業が倒産しても、売掛金の未回収リスクを軽減。 -
ケース3:海外子会社や投資案件
海外進出時に、投資資金が政治的要因で回収不能になるリスクを補償。
保険を提供するのは誰?
日本では、貿易保険は主に 独立行政法人 日本貿易保険(NEXI) が提供しています。
民間保険会社ではカバーできない大規模かつ国際的なリスクに対応するため、政府が関与して制度を整えています。
まとめ
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貿易保険とは、国際取引における非常危険や信用危険を補償する保険。
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国際紛争やテロ、取引先の倒産など、国内取引にはないリスクをカバーできる。
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日本では 日本貿易保険(NEXI) が制度を運営し、企業の海外進出や輸出を支えている。
海外ビジネスを始める企業にとって、貿易保険は リスク管理の必須ツール といえるでしょう。
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