賦課方式とは

賦課方式とは?日本の年金制度を支える仕組みをわかりやすく解説

年金制度を語るうえで欠かせない用語のひとつが 「賦課方式(ふかほうしき)」 です。
日本の公的年金はこの方式を採用しており、私たちの老後の生活に直結する重要な仕組みといえます。

この記事では、賦課方式の基本的な意味からメリット・デメリット、さらに日本の現状についてわかりやすく解説します。

賦課方式とは?

賦課方式とは、年金の支給財源を現役世代が納める保険料でまかなう方式 のことをいいます。

つまり、現役で働いている人たちが納める保険料が、そのまま現在の高齢者の年金給付に充てられているのです。

仕組みのイメージ

  • 現役世代 → 保険料を納める

  • 高齢世代 → その保険料をもとに年金を受け取る

積み立てておくのではなく「その時々で集めたお金を、その時々の給付に充てる」イメージです。

賦課方式のメリット

賦課方式には以下のような利点があります。

  1. インフレや給与水準の変化に対応しやすい
    給与水準が上がれば保険料収入も増え、年金水準を維持しやすくなります。

  2. 現役世代と高齢世代が支え合う仕組み
    世代間扶養の考え方に基づいており、社会全体で助け合う制度といえます。

 

賦課方式のデメリット

一方で、課題も存在します。

  • 少子高齢化の影響を受けやすい
    高齢者が増え、現役世代が減ると、1人あたりの保険料負担が大きくなります。

  • 将来世代への負担が重くなる可能性
    今の現役世代が払った保険料は将来の年金額を保証するものではないため、世代間の公平性が問題になることもあります。

 

日本における賦課方式

現在、日本の公的年金(国民年金・厚生年金)は賦課方式を採用しています。

ただし完全な賦課方式ではなく、一部「積立方式」の要素も組み込まれており、保険料や国庫負担を財源としながら運営されています。

具体的なイメージ例

例えば、30代の会社員が毎月厚生年金保険料を納めているとします。
そのお金は「将来の自分のために積み立てられる」わけではなく、今の高齢者の年金給付に直結して使われているのです。

そのため、自分が将来年金を受け取るときは、その時代の現役世代が払った保険料で支えられることになります。

まとめ

  • 賦課方式とは:現役世代の保険料でその時点の高齢者の年金を支える仕組み。

  • メリット:インフレに強い、社会全体で支え合える。

  • デメリット:少子高齢化で現役世代の負担が重くなる可能性がある。

  • 日本の現状:基本的に賦課方式を採用しつつ、一部積立方式を組み合わせて運営している。

日本の年金制度を理解する上で、賦課方式は避けて通れない重要な仕組みです。
「今払っている保険料は、今の高齢者を支えるために使われている」という視点を持つと、年金制度への理解が深まります。

さらに参照してください:

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