逓増定期保険(ていぞうていきほけん)とは、定期保険の一種で、保険料は変わらないまま、保障額(保険金額)が契約期間中に段階的に増えていくタイプの保険です。
特に法人契約での利用が多く、経営者や役員の退職金・死亡退職金・弔慰金などの資金準備を目的として加入されます。
特徴とメリット
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保障額が増えていく
契約初期よりも後半の保障が大きくなるため、将来的に必要となる資金額に合わせやすい設計です。 -
法人の節税対策になる
税法上の要件を満たすことで、支払った保険料の一定割合を損金に算入でき、法人税の負担軽減が期待できます。 -
解約返戻率が短期でピークを迎える
一般的な保険よりも早い時期に解約返戻金が高くなるため、計画的に資金を引き出せます。
法人が利用する主なケース
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役員退職慰労金の準備
退職時にまとまった金額を支払う必要があるため、保険を利用して計画的に積み立てる。 -
死亡退職金・弔慰金の準備
万一の際、遺族に対して速やかに資金を用意できる。 -
事業承継資金の確保
後継者への事業引き継ぎ時の資金源としても活用。
逓減定期保険との違い
項目 | 逓増定期保険 | 逓減定期保険 |
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保険金額の推移 | 時間とともに増える | 時間とともに減る |
主な利用目的 | 退職金や将来資金の準備 | 住宅ローンなど返済額の減少に合わせた保障 |
保険料 | 一定 | 一定 |
注意点
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短期解約は損になる可能性
ピーク時より前に解約すると、返戻率が低くなる場合があります。 -
税制改正の影響を受けることがある
節税目的で加入する場合、税法改正によって損金算入割合が変わる可能性があります。 -
初期保障額は低め
契約初期に大きな保障が必要な場合は、他の保険と併用が必要になることも。
✅ まとめ
逓増定期保険は、法人が将来の退職金や事業資金を効率的に準備するために有効な保険です。
特に節税効果や解約返戻金の早期ピークといったメリットがありますが、契約時には資金計画と税務面をしっかり確認することが重要です。
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