「通常配当」とは、保険会社が予定していた運用成績や経費と、実際の結果との差によって余剰金(剰余金)が生じた場合に、その一部を契約者へ毎年還元する配当金のことです。
別名で「普通配当」とも呼ばれます。
生命保険の契約では、保険料には将来の支払いに備えるための余裕分が含まれています。運用成績が予想より良かったり、予定していた支出が少なかった場合、その利益の一部を契約者に戻す仕組みが「通常配当」です。
どんなときに通常配当が出る?
通常配当は、主に以下の要因で発生します。
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運用益が予定より多かった場合(例:保険会社の資産運用が好調だった)
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死亡率や入院率が予想より低かった場合(給付金や保険金の支払いが予定より少なかった)
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経費が予定より節約できた場合
これらの結果として剰余金が発生し、その一部が契約者に「配当金」という形で戻されます。
通常配当と特別配当の違い
通常配当のほかに、保険には「特別配当」という仕組みもあります。
特別配当は、通常配当とは別枠で、特定の条件を満たした契約に対して支払われます。
特別配当の種類
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長期継続特別配当
一定期間(例:10年以上)契約を継続している場合に支払われる配当金。
長期契約者への感謝や報奨の意味があります。 -
消滅時特別配当
保険契約が満期や死亡によって終了(消滅)する際に支払われる配当金。
長期間保有していた契約の最終ボーナスのような位置づけです。
具体例でイメージ
例えば、ある生命保険の契約内容が以下のような場合を考えてみましょう。
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契約期間:20年
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毎年の通常配当:5,000円(契約後数年経過後から支払開始)
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満期時の消滅時特別配当:30,000円
この場合、契約期間中は毎年の通常配当を受け取りつつ、満期時には追加で特別配当を受け取ることになります。結果的に、保険契約を継続することで受け取れる金額は大きくなります。
通常配当を受け取る方法
通常配当の受け取り方は、契約時やその後の選択によって異なります。代表的な方法は以下の通りです。
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現金で受け取る
毎年配当金を口座振込や現金で受け取る方法。 -
保険料に充当する
翌年以降の保険料から差し引く方法。 -
積立に回す
配当金を積み立て、後でまとめて受け取る方法。
注意点
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通常配当は契約内容や保険会社の業績によって変動します。
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将来の配当金額は保証されないため、あくまでボーナス的な収入と考えるのが安心です。
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無配当タイプの保険では、そもそも配当制度がないため確認が必要です。
まとめ
「通常配当(普通配当)」は、保険会社の運用成績や経費節減によって生じた剰余金の一部を、契約者に毎年還元する仕組みです。
特別配当と合わせて理解することで、保険契約の総合的なメリットをより正しく把握できます。
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