「遺族厚生年金」とは、厚生年金に加入していた人(被保険者)が亡くなったときに、その人によって生計を維持されていた遺族が受け取れる公的年金です。
主に、会社員や公務員など厚生年金の被保険者だった方が対象となります。
国民年金の「遺族基礎年金」とは別の制度で、厚生年金に加入していた人の遺族を支える仕組みです。\
どんな遺族が受け取れる?
遺族厚生年金を受け取れる遺族には、法律で範囲が決まっています。
一般的には次のような人が対象です。
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配偶者(特に妻の場合が多いですが、夫も条件を満たせば可)
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子ども(高校卒業程度までの年齢が目安)
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孫
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父母
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祖父母
※実際の支給順序や要件は法律で細かく決まっており、配偶者と子が優先されます。
支給要件(受け取るための条件)
遺族厚生年金を受け取るには、被保険者が以下の要件を満たしている必要があります。
主な支給要件
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厚生年金に加入していた被保険者が死亡
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国民年金の保険料納付要件を満たしている
→ 具体的には「保険料納付済期間が国民年金加入期間の2/3以上」であることが原則です。
また、例外的に「直近1年間に保険料の未納がない」などで救済されるケースもあります。
具体例でイメージ
例えば、会社員の夫(40歳)が突然亡くなった場合。
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夫は厚生年金加入中
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保険料納付要件を満たしていた
この場合、妻は「遺族厚生年金」を請求できます。
さらに、18歳未満の子どもがいれば「遺族基礎年金」も同時に受け取れるケースが多いです。
つまり、厚生年金に加入していた人が亡くなると、遺族の生活を守る仕組みとして、基礎年金+厚生年金の両方を受け取れる可能性があるのが大きなポイントです。
遺族厚生年金の金額イメージ
実際の年金額は、被保険者の厚生年金の報酬比例部分の約4分の3相当が基本です。
金額は
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亡くなった人のこれまでの給与・賞与など
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加入期間
などにより変動します。
「いくらもらえる?」は個別計算が必要ですが、標準的なサラリーマンの場合、月額数万円程度が目安になることもあります。
遺族厚生年金と遺族基礎年金の違い
項目 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 |
---|---|---|
対象制度 | 国民年金 | 厚生年金 |
受け取れる人 | 主に子のいる配偶者、子 | 配偶者、子、孫、父母、祖父母 |
金額 | 定額(年額約80万円+子加算など) | 報酬比例部分の約4分の3 |
まとめ
遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に、遺族の生活を支える大切な公的年金です。
✅ 支給要件のポイントは「保険料納付要件(国民年金2/3以上など)」
✅ 厚生年金独自の報酬比例部分をもとに計算される
✅ 遺族基礎年金とあわせて受給できるケースも多い
もし家計を支える立場の方がいるなら、自分が万が一の場合、家族がどんな公的保障を受けられるのか知っておくことが大切です。
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