「遺言(ゆいごん/いごん)」は、財産の相続や分配に関して非常に重要な役割を持つ法律上の制度です。
自分が亡くなった後に残された家族が揉めないようにするためにも、遺言の仕組みを理解しておくことは大切です。
本記事では、遺言の意味や特徴、種類、作成時の注意点を初心者向けに解説します。
遺言とは?
遺言とは、本人の死後に効力を発する最終の意思表示のことをいいます。
生前に自分の財産の分配方法や処分について決めておくことで、残された家族や相続人がスムーズに相続手続きを進められるようになります。
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一般的な読み方は「ゆいごん」
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法律用語としては「いごん」と読むのが正式
遺言は、民法で厳格に定められた方式に従って作成する必要があり、形式を守らないものは無効となります。
遺言が大切な理由
遺言があることで、次のようなメリットがあります。
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相続人同士のトラブル(いわゆる「争族」)を防ぐ
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財産の分け方を自分の意思で指定できる
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特定の人や団体へ財産を残すことができる
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相続手続きがスムーズに進む
たとえば、「長男に自宅を残したい」「お世話になった団体へ寄付したい」といった希望は、遺言を残していなければ実現が難しい場合があります。
遺言の種類(民法で認められている方式)
遺言には、主に次のような種類があります。
1. 自筆証書遺言
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本人が全文を自書して作成
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もっとも手軽だが、形式の不備で無効になるリスクがある
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近年は法務局で保管できる制度も導入されている
2. 公正証書遺言
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公証役場で公証人に作成してもらう方式
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内容や形式の不備がなく、もっとも確実とされる
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費用はかかるがトラブル防止効果が高い
3. 秘密証書遺言
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本人が作成した遺言を封印し、公証人に「遺言が存在すること」だけを確認してもらう方式
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内容を秘密にできる一方で、形式不備のリスクがある
遺言を作成するときの注意点
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民法で定められた形式を守ること(特に自筆証書遺言は注意)
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公正証書遺言を利用すれば安全性が高い
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財産の全体像を整理し、相続人全員に配慮すること
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専門家(弁護士・司法書士・行政書士など)に相談するのも有効
まとめ
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遺言とは:生前に残した最終の意思表示で、死後に効力が発生する
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読み方:一般的には「ゆいごん」、法律用語では「いごん」
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種類:自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など
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ポイント:形式を守らないと無効になるため、公正証書遺言の利用がおすすめ
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