交通事故や労災などの被害に遭ったあと、「元の生活に戻れないほどの後遺症が残ってしまった…」というケースは少なくありません。
そんなとき関係してくるのが「重度後遺障害(じゅうどこういしょうがい)」という概念です。
この記事では、「重度後遺障害とはどのような状態なのか」「どのような補償や賠償が受けられるのか」について、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 重度後遺障害とは?
重度後遺障害とは、事故などによって身体に重大な後遺症が残り、日常生活に著しい制限が生じる状態を指します。
医療的には、**治療を継続してもこれ以上の回復が見込めない状態(症状固定)**とされるのが特徴です。
🔍 具体的にはどんな障害?
重度後遺障害の代表的な例は以下の通りです。
代表的な症状 | 内容 |
---|---|
両眼の失明 | 視力を完全に失い、生活・仕事ともに強い制限を受ける状態 |
咀嚼・言語機能の全廃 | 食事や会話がまったくできない状態(嚥下障害や構音障害など) |
自用の不能 | 四肢の麻痺や高度な認知障害などで、常時介護が必要な状態(寝たきりなど) |
👉 これらの症状は、「一人で生活ができないレベル」の重い障害であり、単なるケガや一時的な不調とは異なります。
🩺 「後遺障害」との違いは?
「後遺障害」は比較的広い概念で、事故や病気によって残るあらゆる障害を含みます。
その中でも**特に重い症状に該当するものが「重度後遺障害」**です。
用語 | 内容 | 例 |
---|---|---|
後遺障害 | 体や精神に障害が残る状態 | めまい、手足のしびれ、軽度の視力低下など |
重度後遺障害 | 日常生活に深刻な支障がある状態 | 寝たきり、全盲、言語障害など |
⚖ 判例に見る「重度後遺障害」の賠償傾向
重度後遺障害に対しては、裁判上でも高額な損害賠償が認められるケースが多いです。
🔸 賠償額に反映される要素
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逸失利益(将来得られたはずの収入)
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介護費用(常時介護が必要な場合)
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慰謝料(精神的苦痛に対する補償)
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住環境整備費(車いす対応住宅への改修など)
💡特に20代や30代など若年層で将来の就労可能性が高い場合、逸失利益の算定が大きくなり、数千万円〜1億円超の賠償が認定されることもあります。
📄 保険との関係は?
重度後遺障害が認定されると、以下の保険で補償や給付金が支払われる可能性があります。
保険の種類 | 給付の内容 |
---|---|
自賠責保険(交通事故) | 等級に応じた後遺障害慰謝料・逸失利益が支給される(1級で最大4,000万円) |
任意自動車保険 | 後遺障害特約などにより追加補償が受けられる場合あり |
労災保険 | 仕事中の事故であれば、障害補償年金や介護補償給付が支払われる |
医療保険/障害保険 | 特約内容により後遺障害給付金が支払われることもある |
🧭 重度後遺障害の認定を受けるには?
🔸 医師の診断書が必須
後遺障害の認定には、症状固定後に医師が作成する診断書が不可欠です。
🔸 損害保険料率算出機構による審査
交通事故の場合は、自賠責保険の後遺障害等級認定(1級~14級)の仕組みが適用され、重度後遺障害は主に1~3級に該当します。
🔸 専門家のサポートも検討を
保険会社とのやりとりや認定申請には専門知識が必要なため、弁護士や社会保険労務士のサポートを受けるとスムーズです。
✅ まとめ:重度後遺障害とは?
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 交通事故などで著しい障害が残り、自立した生活が困難な状態 |
例 | 両目失明、言語機能の消失、四肢麻痺など |
法的影響 | 高額な損害賠償額が認められやすい |
保険との関係 | 自賠責・任意保険・労災・障害保険等で補償対象に |
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