長期平準定期保険(ちょうきへいじゅんていきほけん)は、定期保険の中でも特に保険期間が長いタイプで、法人が役員や従業員のために加入するケースが多い保険です。
主に死亡退職金・生存退職金・退職慰労金など、退職時に支払う資金の準備を目的として利用されます。
長期平準定期保険の基本的な仕組み
長期平準定期保険は、一般的な定期保険と異なり保険期間が非常に長いのが特徴です。
契約条件としては、以下のような基準があります。
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保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超える
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加入年齢に「保険期間(年数)×2」を加えた数字が105を超える
これらの条件を満たすと、税法上も長期平準定期保険として扱われます。
法人契約が多い理由
長期平準定期保険は、法人が契約者となり、役員や従業員を被保険者に設定するのが一般的です。
契約の目的は、主に以下の3つです。
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死亡退職金の準備
役員や従業員が在職中に亡くなった場合の退職金支払い原資を確保。 -
生存退職金の準備
定年退職時など、一定の年齢に達した際の退職金支払いに対応。 -
退職慰労金の準備
長年の功労に対する慰労金をスムーズに支給。
満期保険金はないが解約返戻金はある
長期平準定期保険には満期保険金はありません。
しかし、契約期間中に解約すると**解約返戻金(かいやくへんれいきん)**が支払われます。
解約返戻金の特徴
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契約初期は返戻率が低い
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中途期間で返戻率がピークになる
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保険期間の後半では返戻率が下がる
このため、退職時期や資金需要に合わせて解約タイミングを計画することが重要です。
具体的な利用例
例えば、55歳で入社した役員(被保険者)の退職金を準備する場合、
保険期間20年、満了時年齢75歳の長期平準定期保険を契約すれば、
死亡退職金と生存退職金の両方に備えることができます。
途中で解約すれば解約返戻金を受け取り、退職金の一部として活用できます。
加入時の注意点
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税務上の取扱いを確認する
解約返戻金のピークや保険料の損金算入割合は税制改正で変わる可能性があります。 -
途中解約の計画を立てる
最も返戻率が高い時期に解約することで効率的な資金確保が可能です。 -
加入目的を明確にする
福利厚生、退職金準備、事業承継など、目的によって契約設計が異なります。
まとめ
長期平準定期保険は、長期の保障と解約返戻金を活用して、法人の退職金や弔慰金の資金を計画的に準備できる保険です。
満期保険金はないものの、中途解約時にまとまった返戻金を得られるため、法人の資金戦略に組み込みやすいメリットがあります。
ただし、税務・解約時期・契約目的を明確にしないと効果が半減するため、加入前には専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
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