「障害者控除(しょうがいしゃこうじょ)」という言葉を聞いたことはあるけれど、「どんな人が対象なの?」「どれくらい税金が安くなるの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、障害者控除の基礎知識、控除額、対象者の範囲、注意点や申請方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 障害者控除とは?
障害者控除とは、納税者本人やその家族が、所得税法または地方税法に定める「障害者」に該当する場合に、**所得控除(課税対象額を減らせる)**を受けられる制度です。
これにより、所得税や住民税の負担が軽減される仕組みとなっています。
✅ 控除対象となる人は?
以下のいずれかに該当する場合、障害者控除の対象となります。
① 納税者本人が障害者である場合
→ 所得税・住民税の申告で自身の障害者控除を申請できます。
② 配偶者が障害者であり、配偶者控除や配偶者特別控除の対象となる場合
→ 障害者控除の追加適用が可能です。
③ 扶養親族が障害者であり、扶養控除の対象となる場合
→ 子どもや親など、扶養している家族が障害者である場合に適用されます。
✅ 障害者控除の金額
障害の程度に応じて、所得から控除できる金額が異なります。
区分 | 所得控除額(所得税) | 所得控除額(住民税) |
---|---|---|
一般の障害者 | 27万円 | 26万円 |
特別障害者 | 40万円 | 30万円 |
同居特別障害者(※) | 75万円 | 53万円 |
※「同居特別障害者」とは、特別障害者に該当し、納税者と同居している扶養親族など。
✅ 「障害者」の定義とは?
所得税法上の「障害者」とは、次のいずれかの状態にある方を指します。
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身体障害者手帳(1〜6級)を持っている
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療育手帳(AまたはB)を持っている
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精神障害者保健福祉手帳(1〜3級)を持っている
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障害年金を受給している人の一部
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その他、国税庁が認める障害の状態がある方
等級や手帳の種類に応じて、「一般障害者」「特別障害者」に分類されます。
✅ 具体的な事例で見る控除の活用
例1:納税者本人が視覚障害で身体障害者手帳2級
→ 所得控除:40万円(特別障害者に該当)
例2:扶養している父親が寝たきり(要介護5)で障害者認定
→ 所得控除:75万円(同居特別障害者)
✅ 申請方法と必要書類
▼ 確定申告で申請する場合
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確定申告書に「障害者控除」の欄を記入
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該当する障害者手帳などのコピーを添付(自治体によって異なる)
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税務署に提出(e-Tax対応も可能)
▼ 年末調整で申請する場合(会社員の場合)
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会社に提出する「扶養控除等申告書」に記載
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手帳コピーや証明書を会社に提出(場合によっては不要)
🔎 書類の有無や提出方法は、市区町村や勤務先によって異なるため、事前確認がおすすめです。
✅ 障害者控除の注意点
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障害者手帳がなくても控除対象になるケースあり(障害年金の受給など)
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一人の障害者に対して控除が重複しないよう注意(例:複数人が同一人物を扶養している場合)
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年度途中に障害状態になった場合でも、一定の条件で控除対象になる可能性あり
✅ 障害者控除と併用できるその他の控除
障害者控除は、以下のような他の控除と併用可能です。
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配偶者控除・配偶者特別控除
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扶養控除
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医療費控除
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小規模企業共済等掛金控除
複数の控除を活用することで、より大きな節税効果が得られる可能性があります。
✅ まとめ|障害者控除は税負担を軽減する大切な制度
障害者控除は、障害のある本人やその家族を経済的に支えるための大切な税制上の配慮です。
自分や家族が控除の対象に該当するかどうか、一度確認してみることをおすすめします。確定申告や年末調整の際には、忘れずに申請しましょう。
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