「雇用保険(こようほけん)」は、働く人を守るための大切なセーフティネットです。
仕事を失ったとき、再就職を目指すとき、キャリアアップのための学び直しをするときなど、労働者の生活と就労を支える公的制度として機能しています。
この記事では、「雇用保険って何?」という方に向けて、仕組みや給付内容をわかりやすく解説します。
📌 雇用保険とは?
雇用保険とは、失業した方や教育訓練を受ける方などに対し、給付金を支給する公的保険制度です。
政府が管掌する強制加入の保険制度であり、原則として雇用される人は全員加入することになります。
▷ 雇用保険の目的:
-
失業時の生活の安定
-
再就職の促進
-
職業能力の向上
-
高齢者などの雇用継続支援
💡 加入の対象者は?
基本的に、1週間の労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがある労働者は雇用保険の加入対象です。
正社員はもちろん、条件を満たせばパート・アルバイトも対象になります。
💴 雇用保険の主な給付内容
雇用保険には、さまざまな給付制度があります。代表的な4つの給付を紹介します。
1. 求職者給付(失業手当)
もっとも広く知られているのがこの給付です。
失業中の生活を支えるため、一定期間、一定額の給付金が支給されます。
▽ 受給には条件があります:
-
ハローワークに求職の申し込みをしている
-
働く意思・能力がある
-
一定期間、雇用保険に加入していた(原則1年以上)
※自己都合退職と会社都合退職では、給付開始時期や給付期間が異なります。
2. 就職促進給付
再就職を早期に決めた場合などに支給される給付金です。
▽ 具体例:
-
再就職手当:失業給付をもらいきる前に再就職すると支給
-
就業促進定着手当:再就職先で一定期間働いた場合に追加で支給
早期再就職を目指す人には、インセンティブ的な役割を果たしています。
3. 教育訓練給付
キャリアアップや再就職に役立つ資格取得やスキル習得のための費用の一部を支援する制度です。
▽ 対象となる例:
-
パソコンスキル講座、簿記、介護・福祉系資格など
-
専門実践教育訓練(看護師、保育士、IT系資格など)
受講費用の20〜70%が給付される場合もあり、生涯学習を後押しする仕組みとなっています。
4. 雇用継続給付
高年齢者や育児・介護をしながら働く人を支える給付です。
▽ 主な制度:
-
高年齢雇用継続基本給付金
→ 定年後の継続雇用で賃金が下がった場合に補填 -
育児休業給付金
→ 育児のために休業する場合の生活を支援 -
介護休業給付金
→ 家族の介護を理由に仕事を休む場合に支給
ライフステージの変化に柔軟に対応できる制度が整っています。
👛 保険料は誰が負担するの?
雇用保険の保険料は、事業主と労働者の双方で負担します。
給与から自動的に天引きされ、毎月納付されています。
▽ 令和6年度(2024年度)の雇用保険料率(一般の事業)
-
労働者負担:給与の0.6%
-
事業主負担:給与の0.95%
※年度ごとに見直されるため、詳細は厚生労働省の発表を確認してください。
👨👩👧👦 雇用保険が役立つシーンとは?
● 失業したとき
→ 求職者給付を受けながら再就職を目指せます。
● 子育てや介護のために一時的に働けないとき
→ 育児休業給付金・介護休業給付金が家計を支えます。
● スキルアップして再就職したいとき
→ 教育訓練給付を活用すれば、費用負担を減らして学べます。
✅ まとめ|雇用保険は働く人を支える大切な制度
雇用保険は、「働けないとき」にも、「働き続けたいとき」にも使える多機能な保険制度です。
失業中の生活支援だけでなく、就職支援・スキルアップ・育児・介護まで、人生のさまざまな場面で頼れる仕組みになっています。
加入しているだけでは恩恵を受けられない場合もあるため、自分に合った給付制度を知り、必要に応じて活用することが大切です。
さらに参照してください: