繰越欠損金とは

繰越欠損金とは?決算書での扱い・控除限度額・仕訳まで徹底解説

企業経営において赤字は避けられないものですが、「繰越欠損金(くりこしけっそんきん)」を正しく理解すれば、将来の法人税負担を軽減することが可能です。この記事では、繰越欠損金の基本概念から決算書上の表示位置、控除限度額、仕訳の方法までをわかりやすく解説します。青色申告を行う法人の経理担当者や経営者の方は、ぜひ基礎知識として押さえておきましょう。 🔹 繰越欠損金とは 繰越欠損金とは、過去に発生した赤字(欠損金)を将来の黒字(所得)から差し引くことで、法人税を軽減できる制度です。これは、法人税法に基づき青色申告法人に認められた制度で、事業年度ごとに発生した損失を翌年度以降に「繰り越す」ことが可能です。 たとえば、ある年度で赤字100万円、翌年度で黒字200万円の場合、繰越欠損金を利用すれば、200万円-100万円=100万円に対してのみ課税されます。これにより法人税の負担を抑え、キャッシュフローの改善が期待できます。 🔹 税効果会計と繰延税金資産 繰越欠損金を会計上に反映する際には、税効果会計の考え方が必要です。赤字によって将来支払う法人税が減少する見込みがあるため、その分を「繰延税金資産」として貸借対照表に計上します。…
買掛金とは

買掛金とは?未払金との違いや仕訳例をわかりやすく解説

企業の経理業務では、「買掛金」「未払金」「未払費用」など、似たような負債科目が多く登場します。特に買掛金は、日常的に発生する取引の中で最も頻繁に登場する勘定科目のひとつです。この記事では、買掛金の基本的な意味から、未払金や売掛金との違い、仕訳例や管理のポイントまでをわかりやすく解説します。 買掛金とは? 買掛金(かいかけきん) とは、商品や原材料を「掛け取引」で仕入れた際に、後日支払う代金を記録するための負債科目です。たとえば、取引先から50万円分の商品を掛けで仕入れた場合、「仕入/買掛金」と仕訳します。 買掛金は通常、貸借対照表の流動負債として計上されます。これは、1年以内に支払う義務がある短期的な債務であるためです。掛け取引を活用すれば、手元資金を効率的に運用できる反面、支払い管理が不十分だとトラブルにもつながります。 未払金との違い 買掛金と混同されやすいのが「未払金」です。どちらも「後日支払う債務」ですが、発生の原因となる取引の種類が異なります。 項目…
課税所得とは

課税所得とは?所得税の仕組みと控除の基本をわかりやすく解説

所得税を計算する上で欠かせないのが「課税所得」です。課税所得とは何か、どのように計算されるのか、そしてどんな控除や非課税制度があるのか——この記事では、初心者でも理解できるようにやさしく解説します。確定申告や年末調整の際に役立つ知識として、ぜひ押さえておきましょう。 🧾 課税所得とは? 「課税所得(かぜいしょとく)」とは、その名の通り所得税の課税対象となる所得のことを指します。個人が得たすべての収入(給与所得、事業所得、不動産所得など)から、非課税所得や所得控除の対象となる金額を差し引いた後に残る部分が課税所得です。 つまり、 総所得 − 非課税所得…
繰延税金資産とは

繰延税金資産とは?仕訳・回収可能性・取り崩しまでわかりやすく解説

企業の決算書を見ていると「繰延税金資産」という聞き慣れない科目を目にすることがあります。これは、税金をめぐる「時間差」を調整するための重要な会計項目です。本記事では、会計初心者の方にもわかりやすく、繰延税金資産の仕組みや計算方法、取り崩しや回収可能性まで丁寧に解説します。 繰延税金資産とは? 繰延税金資産(くりのべぜいきんしさん)とは、将来の税負担が軽減される見込みがある金額を資産として計上したものです。企業会計と税務会計には認識時期のズレがあり、そのズレのうち、将来的に税金が減ると見込まれる分を「繰延税金資産」として扱います。 たとえば、今期に会計上の損失が発生しても、税法上ではまだ損金として認められない場合、将来その損失が認められた時点で税金が減るため、その効果を資産として計上します。 税効果会計と一時差異の関係 繰延税金資産は「税効果会計」という考え方に基づいています。税効果会計とは、企業会計と税務会計のズレ(差異)を調整し、税金費用を正確に対応させるための会計処理です。 この差異には2種類あります。 永久差異:会計と税務で恒久的にズレが解消されないもの…
工事進行基準とは

工事進行基準とは?わかりやすく解説|工事完成基準との違いや原価比例法も紹介

「工事進行基準」という言葉を聞くと、建設業やソフトウェア開発の会計処理を思い浮かべる方も多いでしょう。長期にわたるプロジェクトでは、売上や費用をいつ計上するかが大きなポイントになります。この記事では、工事進行基準の基本的な考え方や、工事完成基準との違い、進捗度の計算方法などをわかりやすく解説します。 工事進行基準とは 工事進行基準(こうじしんこうきじゅん)とは、長期間にわたる工事や開発プロジェクトにおいて、工事の進捗度に応じて売上を分割して計上する会計基準です。 つまり、「工事がどの程度進んだか」に基づき、毎期ごとに売上・費用を認識する方法です。 この基準はもともと建設業の長期請負工事で用いられていましたが、2009年4月以降、日本ではソフトウェアの受託開発などの分野にも適用が拡大されています。 工事進行基準と工事完成基準の違い 長期契約の会計処理には、大きく分けて2つの方法があります。 会計処理方法…
金融資産とは

金融資産とは?初心者にもわかる基本と種類、金融負債との違い

「金融資産」とは何かと聞かれて、すぐに説明できる人は意外と少ないかもしれません。株式や預金など身近な資産もあれば、デリバティブのような専門的な取引も含まれます。本記事では、会計実務経験をもとに、金融資産の定義・種類・金融負債との違いをわかりやすく解説します。 金融資産とは 金融資産とは、資産のうち「土地・建物・設備などの実物資産」を除いたものを指します。つまり、「お金に換えられる権利」や「将来の収入を得る権利」を持つ資産のことです。 具体的には、以下のようなものが金融資産に分類されます。 企業会計における金融資産 企業の会計上、金融資産には次のようなものがあります。 現金・預金 売掛金、受取手形、貸付金などの金銭債権…
月次決算とは

月次決算とは?企業経営を支えるスピーディな財務管理の基本

月次決算(げつじけっさん)は、企業が毎月の経営状況を把握するために行う重要な会計処理です。年次決算と比べて迅速に経営判断ができる点が大きな特徴です。本記事では、月次決算の目的・手順・メリットをわかりやすく解説します。 月次決算の目的とは 月次決算の主な目的は、企業の「現状をタイムリーに把握する」ことです。年に一度の決算だけでは、経営の問題を早期に発見することが難しくなります。毎月の財務状況を集計することで、収益性・コスト構造・資金繰りの課題を素早く分析できます。 月次決算の基本的な流れ 月次決算は、以下のような手順で進められます。 仕訳の記帳 – 売上・仕入・経費などを正確に記録します。…
建設協力金とは

建設協力金とは?仕組み・メリット・会計上の扱いをわかりやすく解説

不動産賃貸契約や建物建設の際に耳にすることがある「建設協力金」。 一見すると保証金と似ていますが、実は独自の仕組みや会計上の扱いがあります。 本記事では、建設協力金の基本、メリット、会計上の注意点まで初心者でも理解できるように解説します。 1. 建設協力金とは? 建設協力金とは、建物を建てる際に賃貸人が建設資金として活用するため、賃借人から借りる金銭のことです。保証金と同じく、契約期間中に一定の条件で返還されることが前提ですが、以下の特徴があります。 賃料と相殺して償却する「リースバック方式」が一般的 場合によっては、10〜15年据え置き後に利息をつけて返済する方式もある…
為替換算調整勘定とは

為替換算調整勘定とは?意味・仕組み・計算例をわかりやすく解説

海外子会社を持つ企業や外貨建て取引を行う会社では、為替換算調整勘定(かわせかんさんちょうせいかんじょう)という言葉を目にすることがあります。 しかし、為替差損益と似ているようで実は全く異なる勘定科目です。 この記事では、連結会計や外貨建会計の基本を押さえながら、為替換算調整勘定の意味や仕組み、具体例までわかりやすく解説します。 1. 為替換算調整勘定とは? 為替換算調整勘定とは、連結財務諸表を作成する際に生じる換算差額を調整するための勘定科目です。具体的には、親会社が在外子会社を連結する場合に、親会社の持分相当額として純資産の部に表示されます。非支配株主の持分は「非支配株主持分」に含めて表示されます。 ポイントは以下です: 発生:連結財務諸表作成時…
決算報告書とは

決算報告書とは?基本構成・目的・作成のポイントをわかりやすく解説

企業活動の成果や財務状況をまとめる決算報告書は、会社経営や投資判断に欠かせない重要書類です。 しかし、「決算報告書って何?」「どんな内容が書かれているの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。 この記事では、決算報告書の基本から構成、作成のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。 1. 決算報告書とは? 決算報告書とは、決算の最終段階で作成される書類の総称です。会計や法規上では呼び方が異なります。 商法上:計算書類 証券取引法・企業会計原則上:財務諸表…