「過失(かしつ)」とは、法律用語で「本来払うべき注意を怠ったために事故や損害を招くこと」を指します。
保険や法律の世界ではとても重要な概念で、損害賠償責任を判断する際の基準になります。
この記事では、「過失」の意味や分類、保険契約との関係を初心者向けにやさしく解説します。
過失とは?【読み方:かしつ】
✅ 定義
過失とは、不注意や注意義務違反によって結果的に損害や事故を生じさせることです。
例:赤信号を見落として交差点に進入し事故を起こす
例:ガスコンロをつけたまま外出して火災を発生させる
意図的(故意)にやったわけではなく、注意が足りないことによる事故を「過失」と呼びます。
過失の種類:軽過失と重過失
過失には、その不注意の程度によって 「軽過失」「重過失」 に分けられます。
✅ 軽過失とは
-
一般的な不注意やミス
-
誰でも陥る可能性がある程度の注意義務違反
例:書類の誤記入で手続きに遅れが出る
例:ちょっとした確認漏れで物を壊す
多くの保険契約では軽過失による事故も補償の対象になります。
✅ 重過失とは
-
極めて重大な不注意
-
通常なら容易に予見・回避できたのに怠ったケース
例:寝たばこをして火災を起こす
例:飲酒運転で交通事故を起こす
重過失は「ほとんど故意に近いレベルの重大な注意義務違反」と見なされ、保険契約で免責(補償されない)になる場合が多いです。
保険契約における「過失」の考え方
保険は、偶然の事故や予期しない損害を補償する仕組みです。
そのため、保険金が支払われるかどうかは「過失の程度」が重要なポイントになります。
✅ 軽過失の場合
-
一般的に保険金支払いの対象
-
例えば、台所でのちょっとした不注意からの火災でも補償
✅ 重過失の場合
-
保険会社が免責を主張し、保険金が支払われないことがある
-
寝たばこ、飲酒運転など
【具体的なシチュエーション例】
✅ 火災保険の例
-
コンロの火を消し忘れ → 軽過失(補償対象の可能性大)
-
寝たばこで出火 → 重過失(免責になる可能性大)
✅ 自動車保険の例
-
ちょっとした脇見運転で追突 → 軽過失(補償対象)
-
飲酒運転で事故 → 重過失(補償対象外や保険金返還義務)
「故意」との違い
過失と混同しがちなのが「故意(こい)」です。
✅ 故意
-
わざと損害を発生させる行為
-
例:放火、車で人をはねるつもりで突っ込む
-
保険ではもちろん補償対象外
✅ 過失
-
わざとではなく不注意による損害
-
程度によって軽過失・重過失に分かれる
まとめ
-
過失(かしつ) とは、不注意による事故や損害を指す
-
不注意の程度により「軽過失」「重過失」に区分
-
保険は「軽過失」は補償するが「重過失」は免責されることが多い
-
契約約款をよく読み、日頃からリスクを減らす注意を心がけよう
さらに参照してください: