寡夫控除とは

寡夫控除(かふこうじょ)とは?|条件・金額・寡婦控除との違いをわかりやすく解説

**寡夫控除(かふこうじょ)**とは、所得税の計算で使える所得控除の一つで、**特定の条件を満たす寡夫(かふ)**が利用できます。

妻と死別や離婚をした後、再婚していない男性で、一定要件を満たす場合に税負担を軽減する仕組みです。

✅ 寡夫控除の基本

「寡夫控除」は、以下のような背景を持つ人の生活負担を軽減するために設けられています。

  • 子どもを扶養するシングルファーザー支援

  • 離婚や死別後、再婚せずに子育てを続ける世帯への配慮

✅ 控除額は27万円(2024年現在)

✅ 寡夫控除を受けるための3つの要件

寡夫控除を使うには、すべての要件を満たす必要があります。

① 合計所得金額が500万円以下

  • 給与所得者の場合、年収ベースでおおむね約677万円以下が目安

  • 所得が高いと控除は受けられない

② 妻と死別または離婚後、再婚していない、または妻の生死が明らかでない

  • 死別したケース

  • 離婚したが再婚していないケース

  • 妻の生死が不明な場合

ポイント
未婚の男性は対象外です。

③ 生計を一にする子がいる

  • 「子」とは総所得金額48万円以下の扶養親族であること

  • 例えば、中学生や高校生の子を扶養している場合など

 

✅ 具体例でイメージ

例えば:

  • 35歳の男性、妻と離婚後、小学生の子どもと2人暮らし、年収500万円
    寡夫控除の対象になる可能性が高い

  • 50歳の男性、妻と死別後、子どもが独立して一人暮らし
    寡夫控除は受けられない(扶養する子がいないため)

 

✅ 寡夫控除の金額

  • 控除額は27万円

  • 所得控除なので課税所得が減る

  • 住民税にも同様の控除制度あり(控除額は自治体によって異なる場合あり)

ポイント
控除によって所得税が数千円〜数万円軽減されるケースが多いです。

✅ 寡婦控除との違い

「寡婦控除」と「寡夫控除」は名前が似ていますが、要件や制度内容に違いがあります。

寡婦控除 寡夫控除
対象 夫と死別・離婚後再婚していない女性 妻と死別・離婚後再婚していない男性
子どもの要件 一般寡婦:なし、特別寡婦:扶養する子あり 生計を一にする子が必須
控除額 一般:27万円、特別:35万円 一律27万円

大きな違い

  • 寡夫控除は「子どもを扶養していること」が絶対条件です。

 

✅ 申告方法

会社員の場合

  • 年末調整で「扶養控除等申告書」に寡夫控除を記入

  • 勤務先に必要書類を提出

自営業・フリーランスの場合

  • 確定申告書の「所得控除」欄に寡夫控除を記載

  • 扶養する子どもの情報を記載

ポイント
年末調整や確定申告の時期に忘れず確認しましょう。

✅ 注意点

  • 「生計を一にする子」として認められるか、所得要件をしっかり確認

  • 年度によって制度の細部が変わることもあるので、最新情報を国税庁や税務署でチェックするのがおすすめです。

 

✅ まとめ

  • 寡夫控除(かふこうじょ)とは
    → 妻と死別・離婚後、再婚していない男性が受けられる所得控除

  • 控除額
    → 27万円

  • 3つの要件

    1. 所得500万円以下

    2. 妻と死別・離婚後に未再婚

    3. 生計を一にする子がいる

  • ポイント
    → 子どもを育てるシングルファーザー支援の制度

さらに参照してください:

寡婦年金(かふねんきん)とは?|条件・金額・支給停止になるケースをわかりやすく解説