株式投資には、長い歴史の中で培われた“経験則”があります。
その中でも特に興味深いのが「アノマリー」と呼ばれる現象です。
アノマリーとは、数字や理論では説明できないものの、過去のデータや経験から「この時期は株価がこう動きやすい」と言われる傾向のこと。
要するに株のクセのようなものです。
たとえば、日本には「節分天井・彼岸底」や「申酉騒ぐ」といった季節や干支に関わるアノマリーがありますし、「選挙は買い」といったイベントに関連するものもあります。
海外にも同様の傾向があり、投資判断の参考にされることがあります。
「Sell in May」とは?
海外で有名なアノマリーの一つが「Sell in May(株は5月に売れ)」です。
これは150年ほど前のイギリスで生まれたとされ、正確には「Sell in May, and go away, don’t come back until St Leger day(5月に売って夏休み、セントレジャーの日まで戻るな)」という言い伝えです。
- 当時のイギリスの貴族や銀行家、商人たちは、暑いロンドンを避けるため5月に株を売却
- 夏休みを楽しんだ後、9月に開催される競馬レース「セントレジャー・ステークス」後に株を買い戻した
つまり、株価の上昇・下落を予測というより、生活の都合で行動したことが、結果として市場パフォーマンスに影響していたわけです。
アメリカ流にアレンジされた「Sell in May」
1980年代にはこの言葉がアメリカに伝わり、米国の投資家の間でも広まりました。
ただし「St Leger day」の部分は使われず、秋のハロウィンに置き換えられています。
要は「株は10月末に買って5月に売る」という考え方です。
データで検証してみると?
NYダウの1960年~2023年までのデータを見てみると、
- 株価が最も下がるのは9月
- 10月~1月は比較的上昇
- 5月頃に株価が上がり切る
つまり「春に売って、夏は休んで、秋に買う」という昔の英国人の行動は、結果として理にかなった投資行動だったことが分かります。
もちろん、株価はさまざまな要因で動くため、アノマリーだけに頼るのは危険ですが、投資の参考材料として覚えておく価値は十分にあります。
まとめ
「Sell in May」は単なる格言ではなく、歴史的な背景と実績に裏打ちされた株価の傾向です。
- 春に売る
- 夏は休む
- 秋に買う
この行動パターンを頭の片隅に置くことで、株価のクセを味方につけるヒントになります。
アノマリーは万能ではありませんが、投資の世界では先人の知恵として今も役立つ情報なのです。
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