保険の世界で耳にする少し難しい言葉に「逆選択(ぎゃくせんたく)」というものがあります。
これは、保険会社にとって見過ごせないリスク要因の一つ。
一見、契約者にとっては得をしているように思えるかもしれませんが、保険制度全体に悪影響を及ぼす可能性がある大事な概念です。
本記事では、逆選択の意味や問題点、実際に起こりうる事例、保険会社の対応策まで、初心者の方にもやさしく解説します📝
✅ 逆選択とは?その意味と基本の考え方
逆選択とは、保険事故(死亡・病気・ケガなど)の発生リスクが高い人ほど保険に加入しやすくなる現象のことです。
🔍定義を簡単に言うと…
「保険事故が起きやすい人ほど、“自分が不利になるリスク”を知っているからこそ、積極的に保険に入る」
という傾向のことを指します。
たとえば…
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健康に不安がある人
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危険性の高い職業に就いている人
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高齢で病歴のある人
このような人たちは、「万一」に備える必要性を強く感じるため、保険加入に積極的になる傾向があります。
🧠 逆選択が起こると何が問題なの?
一見すると「リスクの高い人が保険に入るのは当然では?」と思うかもしれませんが、保険会社にとっては以下のような深刻な問題につながります。
📉1. 保険金の支払いリスクが増える
高リスクの契約者ばかりが集まると、実際に保険金の支払いが頻繁に発生し、保険会社の収支が悪化します。
⚖️2. 「収支相等の原則」が崩れる
保険制度は「収支相等の原則」に基づいて運営されています。
これは、
集めた保険料(+運用益)= 支払う保険金(+運営経費)
となるように設計するという保険の基本原則。
しかし、逆選択が進むと保険金の支払額ばかりが増え、保険料ではカバーしきれず、制度全体が不健全になる恐れがあります。
📘 具体的なシチュエーション:生命保険の場合
たとえば…
健康診断で「心臓に疾患の疑いあり」と言われたAさんが、病名が確定する前にあわてて生命保険に加入。
このような場合、Aさんは「病気になる可能性が高い」と知っていながら契約しています。
保険会社はそのリスクを知らずに契約しているため、不利な条件で契約を受け入れることになり、損失を被る可能性があります。
🛡️ 保険会社はどうやって逆選択を防いでいる?
逆選択を放置すると保険制度が崩壊しかねないため、保険会社ではいくつかの対策が講じられています。
✔️1. 健康告知制度の導入
保険契約時に「現在の健康状態」や「既往歴」を申告させることで、リスクを把握し、適正な保険料や引き受けの判断を行います。
✔️2. 医師による診査
一定額以上の保険契約の場合、健康診断や医師の診査を求めることで、リスクを科学的に評価します。
✔️3. 保険料のリスク別設定(リスク細分型保険)
年齢や職業、喫煙の有無などに応じて保険料を変えることで、リスクの高い契約者ほど保険料が高くなる仕組みを導入しています。
📌 まとめ:逆選択は保険の「見えないリスク」。でも仕組みを知れば安心!
「逆選択」は保険加入者にとって直接的な罰則があるわけではありませんが、制度全体の健全性に大きな影響を与える重要な概念です。
私たち契約者にできることは、正直な告知と正確な理解。
保険の公平性が守られることで、誰にとっても安心できる制度が保たれていきます
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